売上約4億円に対して施工管理の余力があり、内装中心から修繕工事を伸ばしたい会社の現在地
千葉県北西部を拠点とする、4名ほどの専門工事会社があります。内装工事を中心に、塗装、防水、足場を含む修繕工事にも対応し、直近の売上は約4億円です。
施工管理を担う社員は複数おり、社内では「番頭一人で年間2億円前後は動かせる」という感覚を持っています。現在の売上だけを見ると一定の規模がありますが、施工体制にはまだ余力があり、「半分以上遊んでいるようなイメージ」という声も出ていました。
一方で、増やしたい仕事は何でもよいわけではありません。
「修繕工事は得意です。ただ、一式工事は人がいないので苦手なんです。だから二次下請けを中心に攻めています」
この言葉に、営業先を考えるうえで重要な前提が表れています。対応工種の多さと、利益を出しやすい受注形態は同じではありません。
同社の場合、内装工事といっても、軽量下地や表層の仕上げ、トイレ改修などは強い一方、木工事や戸建て工事は得意ではありません。塗装、防水、足場にも対応できますが、足場を協力会社へ発注する案件では、足場会社が直接請ける場合より価格が上がります。
売上を伸ばす前に、「できる工事」ではなく「自社の体制で利益を出しやすい工事」を特定する必要があります。
1週間で 20件の相談 がありました
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
- 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
- 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
- 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
- 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
- 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
- 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
- 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
- 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
- 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
- 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
- 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
- 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
- 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
- 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
- 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
- 9月19日解体工事会社滋賀県業務効率化システムの相談
- 9月18日工務店神奈川県原価管理の相談
対応可能な工事を広く見せるほど、低単価案件と不得意工事が混ざる状態
同社の課題は、仕事がまったくないことではありません。問い合わせは増えているものの、受けたい内容とは限らず、工事依頼についてはほぼ断っている時期もありました。
内装工事は対応範囲が広く、解体、クロス、建具、木工事、設備との取り合いなど、案件によって必要な機能が大きく変わります。金額も数万円の部分補修から1,000万円規模まで幅があり、「内装工事会社」という括りだけでは、狙う案件を絞り込みにくいのが実情です。
「うちができるものは限られているから、作戦がないと無差別になってしまいます」
売上だけを追って間口を広げると、次のような案件まで集まりやすくなります。
- 見積もりや現地確認に時間がかかる小口工事
- 自社が不得意な工種を多く含む一式工事
- 協力会社への外注比率が高く、価格競争になりやすい工事
- 着工まで長く、年間の施工件数を読みづらい大型修繕
- 支払い面の信用を確認しにくい取引先からの依頼
実際、地域のつながりから依頼を受けても、信用調査では保証を付けにくい水準の会社が含まれていたといいます。案件内容がよくても、回収条件に不安があれば、利益は確定しません。
また、過去には大きな売上を動かしても、最終的に残る利益が1割を下回った経験がありました。そのため、社内では「売上3億円で利益率が低い仕事を回すより、規模が小さくても利益率の高い仕事のほうが効率はよい」という感覚が共有されています。
問題は案件数の不足だけではなく、受けたい案件と避けたい案件の境界が営業前に決まっていないことです。
既存客からの紹介と偶然の受注で成長し、利益の出る取引先を自ら選ぶ機会が少なかったこと
同社は創業から7年ほど、毎年売上を伸ばしてきました。ただ、代表はその成長を手放しでは評価していません。
「自分で稼ぎに行ったわけではなく、仕事が舞い込んできてくれただけです。たまたま運が続いていると思っています」
既存客との関係が良好で、年間約1億円を発注してくれる取引先もあります。しかし、その取引先が持つ案件量にも上限があります。現在の顧客だけで施工管理者一人あたりの売上をさらに伸ばすのは難しく、来年、再来年を考えると、新しい取引先を自ら開拓する必要が出てきました。
ただし、新規開拓では「どの会社が利益の出る案件を持っているのか」が外からは見えません。会社名と売上規模だけを見ても、発注工種、案件規模、価格の考え方、支払い能力までは判断できないからです。
同社の得意分野を見ると、狙いどころは少しずつ見えてきます。
たとえば、設備工事会社から受けるトイレ改修では、設備会社が配管や電気、器具の取り付けを行い、同社が解体から表層仕上げまでを担います。一般的なクロス工事より使用材料の単価が高く、施工範囲も分けやすいため、利益率を確保しやすい仕事でした。
マンション修繕でも、すべてを元請けとして抱えるより、塗装、防水、足場などのうち、自社が対応しやすい範囲を二次下請けとして受けるほうが、複数現場を並行して管理しやすくなります。
利益が残る案件には、「得意工種」「役割分担」「発注者の業種」という共通条件があります。過去に利益が出た工事を分解すると、狙う市場が具体化します。
得意工種と施工条件を先に決め、案件適性と取引先の信用力で営業順位を付ける進め方
最初に行いたいのは、営業先のリストアップではなく、自社が狙う工事の定義です。「内装も塗装も防水もできます」では広すぎるため、過去の施工実績を次の項目で整理します。
- 得意工種
自社で品質と工程を管理しやすい工種は何か。反対に、外注比率が高い工種、経験が少ない工種は何かを分けます。
- 施工体制
一式で請けられるのか、部分発注のほうがよいのか。協力会社を含めて対応できる範囲も確認します。
- 対応エリア
移動時間が長い案件は、現地調査、打ち合わせ、施工管理の工数が膨らみます。本社から片道60分や90分以内など、継続対応できる範囲を決めます。
- 案件規模と件数
数万円の小口工事、数千万円の大型修繕のどちらがよいかではなく、見積工数、着工までの期間、年間の発注頻度まで含めて考えます。
- 利益率
売上高だけでなく、工事ごとに最終的にいくら残ったかを確認します。高単価でも外注費や管理工数が大きい案件は、優先度を下げる判断が必要です。
- 受注階層
元請け、一次下請け、二次下請けのうち、現在の人員で工程と品質を守りやすい立場を明確にします。
同社であれば、「修繕工事全般」よりも、次のように表現したほうが狙いは明確です。
- 設備更新に伴うトイレの解体・下地・表層仕上げ
- マンション修繕における塗装・防水の部分請負
- 元請け側で足場を手配できる修繕案件
- 木工事を多く含まない内装改修
- 複数現場を並行管理できる二次下請け案件
次に、この工事を発注する可能性が高い会社を探します。見るべきなのは売上規模だけではありません。
- 主力業種と実際の施工内容
- どのような発注案件を持っているか
- 元請けなのか、一次請けなのか
- 直近の売上と利益の推移
- 売上の伸長率と今後の案件増加余地
- 本社からの距離
- 主要な販売先や取引先
- 信用調査上の懸念がないか
成長している会社は工事量が増え、協力会社を探している可能性があります。ただし、成長率だけで判断せず、自社の得意工事と発注内容が重なるかを確認します。
たとえば、トイレや空調の更新工事を持つ設備会社、防水や塗装を分離発注する修繕会社、地域の物件を継続管理する不動産管理会社などです。大手企業だけに絞る必要はありません。自社が無理なく対応できる規模で、継続発注が期待できる会社のほうが合う場合もあります。
営業先には、次の3段階で優先順位を付けると動きやすくなります。
- A:得意工種、案件規模、エリア、信用力がすべて合う会社
- B:工種は合うが、発注頻度や取引条件を確認したい会社
- C:会社規模は大きいが、自社との適性がまだ見えない会社
Aから接点をつくり、面談や見積依頼の反応を見ながら条件を修正します。実際に話すと、想定していた強みには反応がなく、別の施工実績が評価されることもあります。その場合は、営業先と訴求内容を変えて構いません。
あわせて、電話件数、担当者との接触数、面談数、見積依頼数、受注数、受注後の利益率を週単位で残します。数カ月分を積み上げれば、何社へアプローチすると利益の出る受注が1件生まれるのかが見えてきます。
営業先は一度決めて終わりではありません。受注後の利益まで確認し、狙う工事と取引先の条件を更新することで、営業の精度が上がります。
まとめ
売上を増やしても利益が残らないときは、営業量を増やす前に、狙う工事の条件を絞る必要があります。
今回の会社では、内装、塗装、防水、足場と対応範囲が広い一方、木工事を含む一式工事や小口案件まで拾うと、見積もりと管理の負担が増えます。反対に、設備更新に伴うトイレ改修や、マンション修繕の部分請負は、得意工種を生かしやすく、利益率も確保しやすい傾向がありました。
営業先も、会社の知名度や売上だけで選ぶのではなく、発注案件、受注階層、成長性、距離、信用力まで見て順位を付けることが大切です。
「何でもできます」から「この条件の工事なら利益を出せます」へ変えることが、忙しさではなく利益を増やす営業の出発点です。
利益の残る案件と営業先を一緒に整理したい方へ
自社の得意工事は分かっていても、それをどの業種の会社へ、どのように伝えるべきかまで整理するのは簡単ではありません。「うちの場合は何を狙うべきか」「営業先の優先順位をどう付ければよいか」という段階からでも大丈夫です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の得意工種、施工体制、対応エリア、案件規模、利益率を整理したうえで、取引先候補の選定から営業活動の実行、進捗管理まで支援しています。
ものづくりに集中できる建設業界を目指し、現場だけでなく、販路拡大、原価管理、人材確保、組織づくり、デジタル活用まで横断して整理します。無理にサービスを勧めることはありませんので、まだ課題が言葉になっていない段階でも気軽にお声がけください。