国土交通省は、舗装に関する基準である「車道及び側帯の舗装の構造の基準に関する省令」を改正し、「舗装の構造に関する技術基準」を改定しました。平成13年の策定以来、25年ぶりの見直しです。

ポイントは、道路舗装について、単に初期施工の仕様を見るだけでなく、どれくらい性能を保てるか、将来の修繕まで含めたライフサイクルコストはどうか、低炭素材料や建設副産物をどう活用するかを、設計段階からより明確に見る方向へ進むことです。

改正・改定されたもの

「車道及び側帯の舗装の構造の基準に関する省令」「舗装の構造に関する技術基準」

公布日

令和8年9月30日

施行日

令和9年4月1日

適用時期

令和9年4月1日以降、新たに着手する道路舗装の設計に適用

主な対象

高速自動車国道、一般国道の舗装に適用される基準

改定の狙い

新技術導入の促進、ライフサイクルコストの縮減、循環型社会・脱炭素社会への寄与

主な変更点

性能保持想定期間の導入、性能評価方法の拡大、建設副産物・低炭素材料の活用検討

道路舗装に関わる会社にとっては、すぐに全ての現場が変わるという話ではありません。まずは、令和9年4月1日以降に新たに着手する道路舗装の設計が対象です。

ただし、公共工事の世界では、国の基準変更が発注仕様、設計照査、材料提案、施工管理、完成図書の作り方にじわじわ効いてきます。舗装工事を請ける会社、道路維持に関わる会社、アスファルト合材や再生材に関わる会社は、早めに流れを押さえておきたい内容です。

1週間で 19件の相談 がありました

  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
  • 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
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今回の改定で一番見ておきたいのは「長く持つ舗装」をどう説明するかです

今回の改定では、「性能回復推奨状態」と「性能保持想定期間」という考え方が新たに示されています。

簡単に言えば、舗装について、

  • どの性能を見ますか
  • どの状態になったら修繕が望ましいですか
  • そこまで何年持つと想定しますか
  • その前提でライフサイクルコストをどう見ますか

という整理です。

これまでも、現場では「この舗装はどれくらい持つか」「修繕頻度をどう抑えるか」という会話はありました。今回の改定では、その考え方を設計の中でより明確に扱う方向になります。

技術基準では、性能指標として、たわみ量、ひび割れ率、ひび割れ度、わだち掘れ量、IRI、浸透水量などが示されています。また、性能回復推奨状態に対応する指標値の基準も示されています。

たとえば、ひび割れ率は40%以下、わだち掘れ量は40mm以下、IRIは1m当たり8mm以下、浸透水量は15秒当たり200ml以上といった基準が記載されています。

中小建設企業としては、ここを難しい技術用語として流さない方がよさそうです。今後は、「うちはきちんと施工できます」だけでなく、「この施工品質をどう確認し、どう記録し、将来の維持管理につなげるか」が、より重視される可能性があります。

新技術の評価方法が広がります。提案できる会社には追い風です

今回の改定では、新技術導入の促進も大きなテーマです。

従来の技術基準では、性能評価に実大の供試体による促進載荷試験が必要で、ハードルが高い面がありました。改定後は、室内試験結果などから算出できる評価方法も認める方向に広がります。

示されている評価方法は、大きく次のような整理です。

評価方法

内容

材料物性法

室内試験等で得られた物性値等をもとに、数値計算で性能変化を予測する方法

実大経験法

実大供試体での試験や、実道の供用実績をもとに性能変化を予測する方法

推定みなし法

室内試験結果等により、性能保持想定期間が既知の舗装構造と比較して算出する方法

国土交通省の資料では、材料物性法は新技術を速やかに評価するうえで望ましい一方、現段階では十分確立された手法ではないとされています。当面は、実大経験法や推定みなし法の活用が想定されています。

ここは舗装会社にとって、前向きに捉えたいところです。

今後、低炭素材料、再生材、新しい舗装構造、施工性を高める工法などを使う場面で、「性能をどう示すか」「既存技術と比べてどう説明するか」が重要になります。

メーカー任せにするのではなく、施工会社側でも、材料資料、施工実績、品質試験結果、現場条件、施工後の状態を整理しておくと、提案力につながります。

低炭素材料・建設副産物の活用は、舗装工事でも避けて通れない流れです

今回の技術基準では、循環型社会や脱炭素社会の実現に向けた内容も明記されています。

具体的には、

  • アスファルト・コンクリート塊など建設副産物の適正な再資源化
  • 建設副産物の使用の積極的な検討
  • 二酸化炭素排出量の少ない建設機械の導入
  • アスファルト混合物の中温化技術など、低炭素な材料・工法の検討
  • ライフサイクルCO2を評価する枠組み

などです。

これは、現場の肌感覚とも合っているはずです。

「再生合材をどう使うか」 「品質をどう担保するか」 「中温化技術はコストと施工性に合うのか」 「電動建機や低炭素建機は、現場条件に合うのか」

こうした会話が、発注者、元請、協力会社、材料会社の間で増えていく可能性があります。

中小企業にとって大切なのは、いきなり大きな投資をすることではありません。まずは、自社が扱っている材料、機械、施工方法について、環境面の説明資料を出せる状態にしておくことです。

「聞かれたら調べる」から、「聞かれる前に整理しておく」へ。ここに少しずつ差が出ます。

施工記録・品質記録の価値が上がります

技術基準では、設計に関する記録・保存だけでなく、施工についても記録・保存が示されています。

舗装の施工では、設計の前提として定められた出来形や品質等を満たすことが求められます。また、舗装の構造、施工時期、品質その他必要な事項を、工事完成図書や台帳等に記録し保存するものとされています。

さらに、新技術を活用した施工を行った場合は、生産性や品質の向上等に関する調査を行い、その結果を記録し保存しておくものとされています。

ここは中小建設企業にとって、かなり実務的なポイントです。

今後は、施工した事実だけでなく、「どの条件で、どの品質で、どのような結果だったか」を残す力が、会社の信用や次の受注につながる可能性があります。

現場代理人や職長の頭の中にある情報を、会社の資産に変える。写真、試験結果、材料情報、施工条件、出来形、施工上の工夫。こうした情報を、後から探せる形で残すことが大切になります。

紙のファイルだけで管理している会社は、少しずつデジタル管理へ移すことも考えたいところです。難しいシステムでなくても構いません。まずは工事ごとのフォルダ整理、写真台帳、試験結果、材料承認資料、変更協議の記録を、社内で見つけやすくするだけでも効果があります。

令和9年4月までに、舗装会社が確認しておきたいこと

今回の改定は、令和9年4月1日以降に新たに着手する道路舗装の設計に適用されます。

現時点で中小建設企業が確認しておきたいのは、次のような点です。

1つ目は、今後の発注仕様にどのように反映されるかです。 まずは国道関係の舗装工事や設計から見ていくのが自然です。地方自治体の工事にどのように波及するかは、各発注者の運用を確認する必要があります。

2つ目は、自社の施工記録が将来の説明に使える形になっているかです。 品質試験、出来形、材料、施工条件、写真、修繕履歴。これらがバラバラだと、せっかく良い仕事をしていても、次の提案に使いにくくなります。

3つ目は、再生材・低炭素材料・新工法について、提案できる選択肢を持てているかです。 すべてを自社で開発する必要はありません。材料会社や協力会社との連携でも十分です。大事なのは、聞かれたときに「うちは対応できません」で終わらない状態をつくることです。

4つ目は、ライフサイクルコストの考え方を社内で共有することです。 初期費用だけでなく、修繕周期、施工品質、材料選定、維持管理まで含めて考える流れが強まります。積算担当、現場担当、営業担当が同じ目線を持てると、発注者との会話も変わります。

中小建設業にとっての見方は「規制強化」より「提案力の時代」です

今回の改定を、単なる基準変更として見ると、少し重たく感じるかもしれません。

しかし、見方を変えると、これはきちんと施工し、記録を残し、材料や工法を説明できる会社が評価されやすくなる流れでもあります。

舗装工事は、地域の生活を支える仕事です。朝の通勤道路。物流の幹線。救急車が走る道。雨の日に水がたまりにくい路面。大型車が通っても壊れにくい構造。そうした当たり前を、長く保つことが求められています。

その中で、現場の経験とデータの両方を持つ会社は強くなります。

「この材料なら、この条件で使えます」 「この施工方法なら、交通への影響を抑えられます」 「この品質記録があります」 「将来の修繕まで見て、この構造が合理的です」

こうした会話ができる会社は、発注者や元請から見ても心強い存在になります。

まずは、令和9年4月に向けて、国土交通省の技術基準本文を確認し、自社の舗装工事に関係する部分を拾うことから始めたいところです。

自社への影響を整理したいときは、早めに言語化しておくと楽になります

今回の舗装基準の改定は、技術、原価、品質、環境対応、記録管理がつながる話です。現場だけで抱えるには少し範囲が広く、管理部門だけで読むには現場感が必要です。

「うちの舗装工事には、どこから影響が出そうか」 「施工記録や品質書類を、今のままで説明材料にできるか」 「低炭素材料や再生材の提案を、どう準備すればよいか」 「原価や見積に、ライフサイクルコストの考え方をどうつなげるか」

こうした整理は、早めに一度言語化しておくと、発注仕様が変わったときにも慌てにくくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、制度改正や基準変更を「自社では何を見ればよいか」に落とし込む壁打ちも行っています。

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