国土交通省は、3R推進月間に合わせて、環境省・厚生労働省・都道府県等と連携し、建設リサイクルに関する全国一斉パトロールを実施すると発表しました。実施時期は令和8年10月頃から11月頃までで、建設リサイクル法の遵守状況に加え、建設発生土の有効利用、フロン排出抑制法、労働安全衛生法など関連法令の遵守状況も確認されます。

発表内容

建設リサイクル全国一斉パトロールの実施

実施期間

令和8年10月頃〜令和8年11月頃まで

実施機関

各都道府県及び特定行政庁

合同実施機関

建設リサイクル法担当部局、環境部局、労働基準監督署、地方出入国在留管理官署

主な確認内容

建設リサイクル法、建設発生土の有効利用、フロン排出抑制法、労働安全衛生法など

昨年度実績

パトロール立入り件数4,919現場、建設リサイクル法に関する指導等374件

1週間で 19件の相談 がありました

  • 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
  • 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
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今回のポイントは「リサイクルだけの確認」ではないことです

今回のパトロールは、建設リサイクル法を中心にしたものですが、確認対象はそれだけではありません。

国土交通省の発表では、主なパトロール内容として、次の3点が示されています。

  • 建設リサイクル法の遵守状況の確認
  • 建設発生土の有効利用に関する取組状況の確認
  • フロン排出抑制法や労働安全衛生法など、関連法令の遵守状況の確認

つまり、現場で見られるのは、単に「分別しているか」だけではありません。建設リサイクル、発生土、環境、安全といった複数の管理項目が、同じ現場の中で横断的に確認される可能性があります。

中小建設業にとっては、ここが重要です。法令ごとに担当者や確認書類が分かれている会社ほど、現場では抜け漏れが起きやすくなります。今回の発表は、現場管理を「個別法令ごと」ではなく、工事開始前から完了までの一連の管理プロセスとして見直すきっかけになります。

昨年度は4,919現場に立入り、374件の指導等がありました

参考として、昨年度10月の全国一斉パトロールでは、立入り件数が4,919現場でした。そのうち、建設部局が建設リサイクル法に関する指導等を行った件数は374件です。

内訳は次のとおりです。

指導等の項目

件数

標識の掲示

310件

分別解体

18件

無届工事

6件

事前措置

10件

その他

30件

合計

374件

特に多いのは、標識の掲示に関する指導等です。これは大きな示唆があります。

行政対応で問題になりやすいのは、必ずしも高度な判断が必要な部分だけではありません。現場で「掲示されているか」「手順が見える状態になっているか」といった基本項目も、重要な確認対象になります。

経営者としては、「うちは分別も再資源化もやっているから大丈夫」と考えるだけでは不十分です。実際の現場で、標識、届出、分別解体、事前措置などが、第三者から見ても確認できる状態になっているか。この視点が必要です。

中小建設業がまず確認したい現場管理の項目

今回のパトロールを受けて、中小建設業が確認したいのは、細かな法令知識を現場任せにしないことです。まずは、次のような観点で自社の現場を棚卸しするのが現実的です。

  • 対象となる工事で、建設リサイクル法上の必要な対応が確認されているか
  • 標識の掲示に漏れがないか
  • 分別解体等の実施状況を現場で説明できるか
  • 建設発生土の有効利用に関する取組状況を確認できるか
  • フロン排出抑制法、労働安全衛生法など、関連法令の確認が抜けていないか
  • 元請・下請間で、必要な情報共有ができているか

ここで大切なのは、「知っている人がいる」状態ではなく、「会社として確認できる」状態にすることです。

現場代理人や職長の経験に頼り切ると、忙しい現場ほど確認が後回しになります。逆に、チェック項目が整理されていれば、若手や新任の担当者でも一定水準の確認ができます。これは法令対応だけでなく、品質、安全、原価管理にもつながります。

パトロールを「指摘を避けるため」だけで終わらせない

今回のような全国一斉パトロールは、短期的には行政対応の話に見えます。しかし、中長期で見ると、建設会社の管理力そのものが問われていると考えるべきです。

建設リサイクル、発生土、フロン、安全衛生。これらは別々のテーマに見えますが、共通しているのは、現場で発生するリスクを、会社として事前に把握し、記録し、説明できるかという点です。

今後、建設業では人手不足が続きます。ベテランの経験だけで現場を回すことは、ますます難しくなります。その中で、法令対応や現場管理を属人的にしておくと、現場数が増えたとき、若手に任せたとき、協力会社が変わったときに、管理のばらつきが表面化します。

今回の発表は、単なる「10月から11月頃にパトロールがあります」という案内ではありません。現場管理を標準化し、会社として説明できる状態に近づけるタイミングとして受け止める価値があります。

経営者は「現場任せ」ではなく、仕組みとして確認したい

中小建設業では、現場の実務をよく分かっている人ほど、日々の段取りに追われています。だからこそ、経営側が確認すべきなのは、個々の現場の細部だけではありません。

見るべきは、次のような仕組みです。

  • 工事着手前に、関連法令の確認項目が整理されているか
  • 現場で必要な掲示・届出・記録の確認責任者が明確か
  • 協力会社に任せる部分と、自社が確認する部分が分かれているか
  • 指摘を受けた場合に、次の現場へ改善を反映する流れがあるか

パトロール対応は、単発の点検で終わらせるより、現場管理の型を整える機会にした方が投資対効果が高くなります。

特に、複数現場を同時に抱える会社や、解体・改修・土工・設備撤去などが絡む工事を扱う会社は、今のうちに確認項目を一覧化しておくとよいでしょう。

自社の現場管理を整理する機会として

今回の建設リサイクル全国一斉パトロールは、建設リサイクル法だけでなく、環境・安全・発生土などを横断して現場管理を見直すきっかけになります。

「うちの工事では何を確認すればよいのか」「現場ごとに管理のばらつきがある」「チェックリストや責任分担を整理したい」という段階でも、早めに考えを整理しておく価値があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場管理、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。建設企業の持続的成長を支援する立場から、今回のような制度・行政対応を、自社の管理体制づくりにつなげるための壁打ちも可能です。無理な営業はいたしませんので、まずは「自社の場合、何から整理すべきか」を確認する場としてご活用ください。

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