売上約3億円から5億円を目指し、社長中心の体制から自社工事班をつくる電気工事会社
九州地方で電気工事を手がける、6名ほどの専門工事会社があります。設備会社から受注する二次下請け工事が中心で、長く社長自身と固定の協力会社で現場を回してきました。
「6年ぐらいはずっと一人でやってきました。そろそろ社員を入れないといけないと思って」
採用を始めてからは、経験者の職人、未経験者、工事担当者が加わりました。工事担当者は取引先に預け、現場で経験を積ませています。今後はさらに5名ほどを採用し、まずは自社社員を中心とする工事班を一班つくる考えです。
現在の売上は約3億円。2年ほどで5億円に近づけ、そこまで届かなくても毎年15%程度の成長を続けたいという目標があります。一方、一次下請けや元請けへ進むには施工管理を担える人材が足りません。そのため、当面は現在の二次下請けという立場を基本に、施工力を増やしていく方針です。
この会社の現在地は、「先に規模を大きくしたい」のではなく、「目標売上を実現するために、必要な組織をつくりたい」という段階です。
1週間で 19件の相談 がありました
- 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
- 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
- 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
- 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
- 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
- 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
- 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
- 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
- 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
- 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
- 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
- 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
- 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
- 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
- 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
- 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
- 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
目標売上と採用人数がつながらず、「あと何人必要か」を決め切れない状態
大きな課題は、売上目標はあるものの、その達成に必要な職人、施工管理、協力会社の人数が明確になっていないことです。
「とにかく人を増やさないと、自分が目指す売上に対しては厳しいと思っています」
同じ地域で同業種、売上3億円以上の会社を見ると、従業員10名を超える企業が多くあります。この比較から「自社も10名程度は必要そうだ」と考えることはできます。ただし、同業他社の従業員数だけでは、自社に必要な人数までは分かりません。
建設会社の売上は、受注する立場と工事内容によって構造が変わるからです。たとえば材料を自社で持つ一次下請けや元請けでは、受注金額の6〜7割を材料が占める工事もあります。その場合、同じ人数でも売上高は大きくなります。一方、二次下請けとして施工を中心に請け負う会社は、人の稼働が売上に直結しやすくなります。
そのため、単純に「売上5億円÷同業他社の一人当たり売上」で採用人数を決めると、実際に必要な施工力とずれる可能性があります。
必要人員は売上高から直接割り算するのではなく、目標売上を受注形態、施工量、班数へ順番に分解して逆算する必要があります。
職人を増やすだけでは班にならず、施工管理と協力会社も同時に必要になる構造
人員計画が難しい背景には、職人一人を採用すれば、その分だけ売上が増えるわけではないという建設業特有の事情があります。
この会社には経験者だけでなく未経験者も入社しています。年配の職人が教えられる環境はあるものの、一人前になるまでには時間がかかります。また、経験を積んだ職人が独立することも珍しくありません。
「未経験でも全然いいんです。年配の職人がきっちり教えてくれます。ただ、一人前になるまで時間がかかるので、今からやっておかないと3年後、4年後の組織づくりが厳しくなります」
未経験者の採用は中長期の施工力づくりには欠かせません。しかし、未経験者だけを続けて採用すると、教える側の負担が増え、現在の施工量を伸ばしにくくなります。自社工事班をつくるには、班をまとめられる経験者と、育成される未経験者の組み合わせが必要です。
さらに、工事量を増やすには施工管理や工事担当者も必要になります。職人が増えても、工程、安全、品質、取引先との調整を担う人が不足していれば、会社として管理できる現場数は増えません。一次下請けや元請けに近づくほど、この管理機能の重要性は高まります。
協力会社も同様です。社員だけで繁閑差のすべてを吸収しようとすると、仕事量が少ない時期には固定費が重くなります。一方、協力会社だけに依存すると、自社社員を現場に配置できないことによる管理面や契約面の懸念が残ります。
必要なのは職人の総人数ではなく、「班を成立させる経験者」「将来の戦力となる未経験者」「現場を管理する担当者」「変動を補う協力会社」の組み合わせです。
売上を受注形態、施工量、班数に分け、採用と受注を段階的に増やす人員計画
最初に行いたいのは、5億円という目標をそのまま人数へ置き換えるのではなく、現在の受注形態を前提に施工量へ分解することです。
1.売上目標を受注形態別に分ける
まず、目標売上の中身を次のように分けます。
- 現在と同じ二次下請け工事で積み上げる売上
- 将来、施工管理体制が整った後に一次下請けなどで積み上げる売上
- 自社職人が施工する部分
- 協力会社へ依頼する部分
- 材料費や外注費として社外へ出る部分
この会社の場合、現時点では一次下請けを増やすより、二次下請けとして既存顧客との関係を強め、確実に工事を納めることが優先されています。したがって、最初の人員計画も現在の受注形態を基準にしたほうが現実的です。
一次下請けによる売上増加は、施工管理が育った後の別シナリオとして分けておきます。材料を持つ工事が増えれば売上高は大きくなりますが、それを現在の施工力と混ぜると、必要人数を見誤りやすくなります。
「現在の二次下請けを伸ばす計画」と「施工管理が整った後に受注階層を上げる計画」は、分けて計算するのが安全です。
2.過去の完成工事から、一班の施工能力を出す
次に、直近の完成工事を振り返り、一班が年間でどれだけの工事をこなせるかを確認します。見る項目は、次のとおりです。
- 工事ごとの受注額と施工期間
- 材料費と外注費を除いた自社施工部分
- 現場に入った職人の人数と日数
- 経験者と未経験者の構成
- 同時に動いていた現場数
- 工事担当者が管理していた範囲
ここから、現在の体制における「一班当たりの年間施工量」を出します。必要班数は、次の考え方で逆算できます。
- 必要班数 = 目標とする年間自社施工量 ÷ 一班当たりの年間施工量
- 必要職人数 = 必要班数 × 自社で定めた一班の標準人数
- 必要な施工管理人数 = 繁忙時の同時稼働現場数 ÷ 一人が無理なく管理できる現場数
- 必要な協力会社の稼働量 = 繁忙時の必要人工 − 自社職人で確保できる人工
標準人数は一般的な数字を当てはめるのではなく、自社の工種と現場条件から決めます。現場ごとに必要な資格や経験が違うためです。
人数ではなく「年間施工量」「班数」「繁忙時の人工」まで落とすと、職人・施工管理・協力会社をそれぞれどれだけ確保すべきかが見えてきます。
3.経験者を班の軸に置き、未経験者は教えられる人数まで採用する
採用の順序は、自社工事班を成立させる人材から考えます。
この会社のように、まず一班をつくりたい場合は、班を任せられる経験者の確保が優先です。そのうえで、現在の経験者が現場を止めずに教えられる範囲で未経験者を加えます。
未経験者は将来の施工力をつくる大切な人材ですが、入社直後から経験者と同じ施工量を見込むことはできません。採用人数を決める際は、次の点を確認します。
- 班をまとめられる経験者がいるか
- 未経験者を教える担当が決まっているか
- 教育をしながら工期と品質を守れるか
- 新人を配置できる現場があるか
- 担当者が新人の習熟状況を把握できるか
施工管理は並行して探しつつ、採用できた人材をすぐに単独で任せるのではなく、取引先や既存現場で経験を積ませる方法もあります。実際、この会社でも新たに採用した工事担当者を取引先に預け、「鍛えてほしい」と依頼しています。
採用順序は「経験者で班の骨格をつくる」「教育可能な範囲で未経験者を加える」「施工管理を並行して育てる」という流れが基本になります。
4.採用と受注は、次の班が成立する条件を見ながら増やす
人が足りないからと採用だけを急ぐと、入社後に配置する現場や教育担当が不足します。反対に、受注だけを増やすと、社長や既存社員に負荷が集中します。
次の採用や受注へ進む前に、少なくとも以下を確認します。
- 次の班を任せられる経験者がいる
- 工事担当者または施工管理の配置が決まっている
- 未経験者を教えられる余力がある
- 既存顧客から見込める工事量が把握できている
- 繁忙時に応援を頼める協力会社がいる
- 現在の工事を品質、安全、工期の面で確実に納められている
「人が入ったから仕事を増やす」「仕事が取れたから急いで人を集める」のどちらかに偏るのではなく、一班ずつ成立条件を確認しながら増やしていく考え方です。
採用と受注の判断単位を一人ではなく一班にすると、売上だけが先行する状態や、採用した人を持て余す状態を避けやすくなります。
まとめ
売上目標から必要人員を逆算する際、単純な一人当たり売上だけでは十分ではありません。二次下請け、一次下請け、元請けでは材料比率と管理業務が異なり、同じ売上でも必要な組織が変わるためです。
まずは現在の受注形態を前提に、目標売上を自社施工量へ置き換えます。そのうえで、過去の完成工事から一班当たりの施工能力を出し、必要班数を計算します。そこから職人、施工管理、協力会社の必要量を分けて考えます。
経験者と未経験者の採用も、同じ人数として扱うことはできません。経験者で班の軸をつくり、教育できる人数まで未経験者を加え、施工管理を並行して育てる順序が現実的です。
売上目標を実現する人員計画は、「何人採るか」ではなく、「どのような班を、いつまでに、いくつ成立させるか」から考えると具体的になります。
自社の売上目標に必要な工事班を整理したいときは
目標売上は決まっていても、職人を何人採るべきか、施工管理をいつ採用すべきか、協力会社をどこまで増やすべきかは、受注形態や現在の施工能力によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の売上計画と人員計画をつなぎ、採用、育成、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理しています。「うちの場合は何班必要なのか」「まず経験者と未経験者のどちらを採るべきか」といった段階からでも、一緒に考えることができます。
ものづくりに集中できる体制へ向けて、目標売上、施工量、必要人員の順に整理することが次の一歩になります。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、社内だけでは数字を置きにくい場合は気軽にお声がけください。