木材・別注家具を強みに、商業施設の内装工事まで手がける中国地方の会社
中国地方にある、木材販売と別注家具、内装工事を手がける会社の事例です。売上は材料・家具販売と内装工事がほぼ半々。内装工事を始めて約10年が経ち、百貨店や商業施設の物販店を中心に、飲食店や路面店も施工してきました。
特に強いのは、無垢材や特殊材を使う内装です。材料を卸会社から直接仕入れ、複数の家具製作会社を難易度に応じて使い分けられます。家具製作から現場での取り付けまで対応可能です。
工事金額は1,000万円台から2,000万円台が中心で、4,000万円前後の店舗工事を請けた実績もあります。一方、現場管理を担う社員は2名。施工管理技士の有資格者が限られ、一般建設業許可の範囲を超える工事には対応できません。
商業施設での施工経験と木材・家具の調達力はあるものの、許可と施工管理体制を踏まえると、どの案件でも受けられる状態ではありません。
現在の取引は下請けが中心です。一次下請けの案件もありますが、既存取引先を経由する二次下請け案件も少なくありません。
経営者の希望は明確でした。
「一極集中ではなく、元請けとなる取引先を複数持ちたい。できれば二次下請けではなく、一次下請けで入りたいんです」
1週間で 20件の相談 がありました
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
- 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
- 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
- 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
- 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
- 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
- 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
- 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
- 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
- 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
- 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
- 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
- 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
- 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
- 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
- 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
- 9月19日解体工事会社滋賀県業務効率化システムの相談
- 9月18日工務店神奈川県原価管理の相談
売上規模だけで候補を集めても、一次下請けになれる発注会社は見つからない
取引先開拓で最初にぶつかったのは、候補企業の絞り込みでした。
西日本の内装工事会社を「売上10億円以上」といった条件で抽出すると、候補は数多く出てきます。しかし、会社規模が大きいからといって、自社に合う仕事を発注しているとは限りません。
実際に候補を一社ずつ確認すると、次のような違いがありました。
- 商業施設や店舗内装を一式で請け、協力会社へ分離発注する会社
- ゼネコンの下でビルやマンションの内装を施工する会社
- 軽鉄、間仕切り、トイレブースなど特定工種が中心の会社
- 自社で家具工場を持ち、内装・家具工事では競合になる会社
- 元請けにも一次下請けにもなり、案件ごとに立場が変わる会社
この会社が探しているのは、単に規模の大きな内装会社ではありません。物販店や商業施設の内装を受注し、家具工事や内装一式を外部へ発注する会社です。
店舗内装の実績があっても、対象がマンションやゼネコン案件中心なら施工の進め方が異なります。家具工場を持つ会社であれば、協力先ではなく競争相手になる可能性もあります。
さらに、一次下請けになれば必ず利益が残るとも限りません。過去には粗利率だけを見ると約2割を確保できた小規模店舗工事がありました。しかし、工期が3か月に及び、担当者の人件費まで含めると十分な利益とは言いにくい案件でした。
開拓先は「売上規模」ではなく、自社が一次下請けとして利益を残せる案件を発注しているかで選ぶ必要があります。
既存人脈はあるのに、「材料会社」の認識から抜け出せていない状態
この会社には、新規開拓をゼロから始めなくてもよいだけの人脈がありました。
地元の有力な内装会社とは以前から取引があり、木材や特殊材を納めています。工事部門の責任者とも面識があり、年に一度ほど挨拶を交わす関係です。ただし、先方から見た認識は、長く「材料を頼む会社」のままでした。
「付き合いはあります。ただ、うちが内装工事をどんどんやっているとは、きちんと伝えていないんです」
一部では家具工事の依頼まで広がっています。それでも、内装一式を任せられる会社として認識されているかは曖昧でした。
大阪方面にも、過去に施工した会社や協力会社名簿に残っている会社があります。しかし、当時の窓口だった社員の退職後、引き継ぎが十分にできず、発注が止まった取引先もありました。別の会社では一度施工してから3年ほど営業に行けていません。
「接点がない」のではなく、「工事会社としての現在地が相手に伝わっていない」「担当者との関係が個人に閉じている」という状態です。
また、新しい発注会社との面談では、最初の取引として別注家具の製作・取り付けが提案されました。発注側からすれば、まず得意分野で品質、価格、納期、現場対応を確認したいという自然な判断です。
一方、受注側には迷いが残ります。
「家具だけをお願いされて、そのまま家具屋として固定されるなら、一次下請けを増やしたいという目的とは少し違います」
ここは大切な論点です。家具工事を断るか受けるかではありません。小さな入口を、内装工事の一次下請けへつながる取引にできるかが問われています。
案件分野・発注形態・地域・競合・施工体制の5項目で開拓先を選ぶ
一次下請け先の開拓は、候補企業を増やす前に「どの会社なら自社の強みと体制が合うか」を決めるところから始めます。
判断軸は次の5項目です。
- 案件分野
物販店、百貨店、商業施設など、自社の施工実績が多い分野かを確認します。飲食店やホテルも対応可能ですが、経験の厚い物販から入るほうが発注側にも説明しやすくなります。
- 発注形態
内装会社が元請けまたは上位の一次下請けとなり、家具工事や内装工事を分離発注しているかを見ます。自社ですべて施工する会社では、協力会社として入れる余地が限られます。
- 地域
まずは移動や現場対応がしやすい中国地方を優先します。ただし、地元だけでは対象企業が少ない場合、大阪など既存実績のある地域まで広げます。距離だけでなく、現場管理者を常駐させられるかまで含めて判断します。
- 競合関係
自社家具工場を持つ会社や、同じ発注元の下で内装一式を競う会社は、発注先ではなく競合になる可能性があります。一方、元請け案件を持ち、リソース不足時に分離発注する会社なら候補になります。
- 許可・施工管理体制
一般建設業許可で請けられる範囲、施工管理者の人数、資格、常駐可否を先に整理します。大きな案件を持つ会社でも、自社が対応できる規模や工種の案件を発注しているなら開拓対象になります。
「大きな会社か」ではなく、「自社が無理なく一次下請けとして入れる案件があるか」を見極めることが、開拓精度を左右します。
そのうえで、開拓は既存人脈の掘り起こしと新規接点づくりを並行させます。
既存人脈は「工事対応範囲の再紹介」から始める
材料販売だけの取引先には、改めて次の情報を伝えます。
- 商業施設や物販店で対応してきた工事内容
- 過去に請けた工事規模
- 家具製作、取り付け、内装一式の対応範囲
- 無垢材や特殊材を直接調達できる強み
- 現在の施工管理体制と受注可能な規模
「何でもできます」と広く伝えるより、物販店の内装、木工造作、別注家具など、相手が発注場面を想像できる単位で伝えるほうが具体的です。
過去の取引先については、元担当者の退職後に窓口が途切れている会社、一度施工してから接点が止まっている会社、協力会社名簿に残っている会社を優先します。すでに実績があるため、完全な新規営業より話を再開しやすい先です。
新規開拓は「似ている会社」を探す
新規開拓では、自社と相性のよい発注会社を一社定め、その会社と似た企業を探す方法が有効です。
見るべきは売上高だけではありません。
- 商業施設・店舗内装の施工事例があるか
- 物販、飲食、ホテルなどの案件構成
- 元請け案件を持っているか
- 協力会社を継続募集しているか
- 地域拠点に十分な施工要員がいるか
- 家具や木工造作を外部発注しているか
この条件を満たす会社を、中国地方から関西圏へ段階的に広げます。売上規模で大量に抽出した後に精査するのではなく、案件分野と発注構造を先に確認するほうが、競合会社や異業種に近い会社を除外しやすくなります。
家具工事を「試されるだけの仕事」で終わらせない
最初が家具製作や取り付けだけでも、一次下請け開拓にとって無意味とは限りません。発注側は見積もりの精度、抜け漏れ、品質、納期、商業施設のルールへの対応を見ています。
受注側も、その仕事を通じて相手の発注方法や採算性を確認できます。
ただし、入口の仕事を受ける際には、その先を曖昧にしないことが大切です。
- 将来的に内装一式を発注する可能性があるか
- どの規模・工種なら候補になれるか
- 家具工事で何を評価するのか
- 次の見積もりや案件情報を誰から受け取るのか
小規模な家具工事を信頼確認の入口と位置づけ、次に内装工事へ広げる条件まで共有しておくことが重要です。
まとめ
二次下請けから一次下請けへ移行するには、営業件数を増やすだけでは足りません。
必要なのは、自社の施工実績と発注会社の案件分野を合わせ、発注形態、地域、競合関係、許可、施工管理体制まで確認することです。
今回のように木材・家具の調達力と商業施設の経験がある会社なら、物販店や店舗内装を受注し、木工造作や内装工事を分離発注する会社が有力候補になります。一方、ゼネコン案件や住宅が中心の会社、自社家具工場を持つ会社は、規模が大きくても優先度が下がります。
既存の取引先にも可能性があります。材料販売の関係にとどまっている会社、元担当者の退職後に取引が止まった会社、過去に一度施工した会社へ、現在の工事対応力を改めて伝える余地があります。
一次下請け開拓の第一歩は、「誰にでも営業すること」ではなく、「自社が利益を残せる案件を発注する会社」を具体的に定義することです。
自社に合う一次下請け先の条件から整理する
「候補企業はあるが、発注先なのか競合なのか判断しにくい」「既存人脈にどう声をかけ直せばよいかわからない」という段階でも、整理できることはあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、現場、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、取引先候補の選定から開拓後の実行まで支援しています。
一次下請けを増やす目的、自社の強み、受注可能な工事規模、既存取引との競合関係を一緒に整理するところからでも問題ありません。無理に営業を進めることはありませんので、自社の場合に何から考えるべきかを確認したいときにご活用ください。