前提

年間売上に匹敵する大型工事が決まり、契約の翌週から現場が動き出す中小建築会社

ある中小建築会社では、年間売上に匹敵するほどの大型工事を受注しました。契約は今週。着工は翌週です。すでに現場の段取りは始まっています。

一方、施工管理を担う人員は1名ほど足りません。経営者は知人への紹介依頼を進めながら、求人媒体への掲載とスカウトも検討していました。

「仕事が決まって、慌てていろいろなところに声をかけています。紹介で確保できれば、それでいいんですけどね」

現場は待ってくれません。ただし、経営者の見立てでは、既存社員でも工事そのものは回せそうです。

「今の人間で回せるとは思っています。ただ、マンパワーが少し足りない。上に入る人でも、下に入る人でも構わないんです」

大型工事の着工が迫っていても、まず確認すべきなのは『施工管理者がいない』という採用上の不足ではなく、現場でどの役割が、いつから、どれだけ足りないのかです。

1週間で 19件の相談 がありました

  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
  • 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
  • 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
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課題

着工直前の経験者採用に、目先の現場対応と将来の人員確保が重なっている状態

施工管理経験者を1〜2カ月ほどの短期間で採用し、すぐ大型現場の中心に置くことは簡単ではありません。

応募が来るまでの期間だけではなく、面接や条件調整、現職の退職、入社後の引き継ぎがあるためです。給与を好条件にすれば候補者との接点は増やせるかもしれません。それでも、着工日に間に合うとは限りません。

今回の会社も、経験に応じて高い給与を提示する考えを持っていました。大型工事を率いた人なら相応の条件を出し、経験が1〜2年でも規模の大きな案件に携わった人なら採用対象にする。候補者の幅は広く捉えています。

ただ、現場はすでに始まっています。

「いきなり来ても、トップはできないと思うんですよ」

ここに着工直前採用の難しさがあります。優秀な経験者を採れたとしても、自社の進め方や既存社員との関係を把握しないまま、初日から現場のトップを任せられるとは限りません。

『経験者を1名採る』だけを目標にすると、採用できる時期と入社直後に任せられる役割が曖昧になり、現場が必要とする人員とのずれが残ります。

背景

大型案件の受注後に採用を始めると、紹介と求人媒体の結果を待つ時間がなくなる構造

この会社は、普段から継続的に人を増やしたいわけではありませんでした。十億円前後の大型案件は、数年先まで頻繁にはないという見立てです。

今回の工事をきちんと納めれば、その後は数億円規模の仕事が増える可能性があります。それでも、既存の体制でおおむね対応でき、必要なら1〜2名を加えればよいという感覚でした。

そのため、採用専任の体制をつくるよりも、案件が決まった時点で紹介や求人媒体を使うほうが経営判断として自然でした。

「この規模の案件がずっと続くなら、定期的に欲しいです。でも、このクラスは数年先までないと思います」

この判断自体に無理があるわけではありません。ただし、大型案件の受注後から人探しを始める場合、次の三つの時間軸が一致しにくくなります。

  • 現場が人を必要とする時期
  • 紹介やスカウトで候補者と出会える時期
  • 候補者が入社し、役割を担える時期

求人媒体も数多く、掲載すれば施工管理経験者がすぐ集まるわけではありません。欲しい人材がいる媒体を見極め、求人を出し、スカウトし、反応を確かめるまでには時間がかかります。

案件受注後の採用では、着工に間に合わせる短期対応と、数カ月先の人員確保を一つの採用活動で解決しようとしないことが大切です。

解決

着工日から逆算し、既存社員で守る範囲と採用後に任せる役割を先に切り分ける進め方

最初に整理したいのは、求人票ではなく現場の役割です。今回の会社であれば、「今の人間で回せる」「足りないのはマンパワー」「採る人は上でも下でもよい」という三つの発言が判断の土台になります。

採用活動は、次の順番で組み立てると整理しやすくなります。

1.着工時点で既存社員が担う範囲を決める

まず、大型工事の中心は既存社員で担うのか、新たな人材に任せるのかを決めます。着工まで数日しかなく、入社直後にトップを任せにくいのであれば、当面の責任者は既存社員とするのが現実的です。

そのうえで、「既存社員だけでも回せるが負荷が高い」のか、「特定の役割が欠けるため回せない」のかを分けます。前者なら、採用条件を施工管理の完成された責任者だけに絞る必要はありません。

現場を止めない責任は既存社員で持ち、新規採用者には経験に応じた支援役から入ってもらう形にすると、短期採用の条件を広げやすくなります。

2.候補者を経験年数ではなく、入社後の役割で分ける

今回の経営者は、「上でも下でも構わない」と考えていました。この柔軟さは、着工直前の採用で生かせます。

候補者は、少なくとも次のように分けて考えられます。

  • 大型案件を率いた経験があり、既存社員と並ぶ役割を将来的に任せられる人
  • 規模の大きな案件への参加経験があり、既存社員の下で力を発揮できる人
  • 資格の有無にかかわらず、現場のマンパワーを補える人

全員を同じ求人条件で集めるのではなく、任せたい役割ごとに必要経験と条件を変えます。給与も経験年数だけで決めず、どの役割まで担えるかと対応させると判断しやすくなります。

3.紹介と採用媒体を順番待ちにしない

知人からの紹介には、自社や経営者の考え方を理解した人につながりやすい利点があります。一方、紹介だけでは候補者が現れる時期を読みにくい面もあります。

そのため、「今月末まで紹介を待ち、見つからなければ求人媒体を始める」という進め方より、紹介と求人媒体・スカウトを並行させるほうが時間を使えます。

媒体を選ぶ際は、知名度だけではなく、次の点を確認します。

  • 求める施工管理経験者が登録しているか
  • 掲載だけでなく、候補者へのスカウトまで動かせるか
  • 自社側にどれだけの運用負担がかかるか
  • 目先の1名だけでなく、一定期間募集を続けられるか

着工直前ほど、一つの採用手段の結果を待ってから次へ進むのではなく、紹介と媒体・スカウトを同時に動かすほうが選択肢を残せます。

4.目先の1名と、次の案件に備える1〜2名を分ける

大型工事が一度きりでも、その実績をきっかけに数億円規模の案件が増えることはあります。今回の会社も、今後の仕事量によっては1〜2名を増やしてもよいと考えていました。

そこで、採用活動を大型工事の着工時点で止めないことも一案です。目先では既存社員の負荷を補える人を探す。その後は、次の案件で中心を担える人を時間をかけて探す。目的を分ければ、短期で見つからなかった採用活動も無駄になりません。

大型工事への応急対応と、その後の受注増に備える採用を分けることで、『今すぐ来られる人』だけに条件を寄せずに済みます。

まとめ

大型工事の受注後に施工管理人材が足りないと分かると、どうしても「経験者を早く1名採る」という話になりがちです。しかし、着工直前では採用時期を完全にはコントロールできません。

先に整理したいのは、次の四点です。

  • 着工時点で既存社員が守る範囲
  • 現場で不足している役割とマンパワー
  • 候補者の経験に応じて入社直後に任せる役割
  • 目先の工事対応と、その後の受注に備えた採用の区分

紹介と求人媒体は、どちらか一方の結果を待つのではなく、必要に応じて並行して動かします。採用できた人をいきなりトップに据える前提にもせず、既存社員の下に入る選択肢を残しておくと、候補者の幅を広げられます。

着工直前の採用は、採用人数より先に現場の役割を分けることが出発点です。短期の現場対応と中期の人員確保を並行させると、無理の少ない判断ができます。

大型案件に必要な人員と採用の進め方を整理したい方へ

「既存社員でどこまで回せるのか」「施工管理経験者に何を任せるのか」「紹介と求人媒体をどう組み合わせるのか」は、案件規模や着工時期、現在の体制によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

まだ採用条件が固まっておらず、「うちの場合は何から整理すべきか」という段階でも構いません。目先の現場対応と今後の採用を切り分けるところから、一緒に考えられます。無理にサービスを勧めることはありませんので、状況整理の窓口としてご活用ください。

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