前提

医療系テナント工事を3名ほどで回し、2現場の並行が上限に近い会社の現在地

九州を拠点に、関東や東海でも医療系テナントの内装工事を手がける、3名ほどの建設会社があります。設計から施工管理まで対応できる一方、実務の多くは社長に集まっています。

話をしている最中にも、社長は事務所のパソコンで図面を作成していました。現場があるため長時間は席を空けられず、案件が重なる時期には朝早くから遅くまで現場管理に入ります。

受注量については、「2カ月に1件ほどでも十分です。2件を並行できなくはないですが」という感覚です。現在の案件数であれば自社で対応できるものの、今後受注を広げるなら、施工を任せられる協力会社が必要になります。

ただし、必要なのは単に「内装工事ができる会社」ではありません。医療系施設では検査や納まりへの要求が高く、施工後の手直しや機材の破損が起きれば、かえって社長の仕事が増えてしまいます。

また、一式でそのまま任せるのではなく、内装、電気、空調、水道など、工種ごとに協力会社を組む必要があります。社長も「どの会社にも、何か得意な工事があるはずです」と話していました。

この会社に必要なのは案件数を先に増やすことではなく、今の品質を維持したまま受けられる工事量を把握することです。

1週間で 22件の相談 がありました

  • 9月14日外構工事会社静岡県案件獲得の相談
  • 9月13日外構工事会社沖縄県案件獲得の相談
  • 9月13日配管工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月13日総合土木大阪府業務効率化システムの相談
  • 9月13日塗装工事会社愛知県協力会社探しの相談
  • 9月12日工務店北海道人材確保の相談
  • 9月12日総合土木神奈川県人材確保の相談
  • 9月12日防水工事会社群馬県協力会社探しの相談
  • 9月12日塗装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
  • 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
  • 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
  • 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
  • 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
  • 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
  • 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
  • 9月8日工務店広島県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
  • 9月7日防水工事会社三重県業務効率化システムの相談
  • 9月6日内装工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月5日設備保全会社東京都高卒採用の相談
  • 9月5日総合土木北海道原価管理の相談
  • 9月5日内装工事会社千葉県案件獲得の相談
  • 9月5日設備保全会社茨城県協力会社探しの相談
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課題

新しい案件が増えるほど社長の現場管理と協力会社探しが重なる受注構造

小規模な建設会社では、売上を増やすための営業が、そのまま成長につながるとは限りません。施工体制が追いついていない状態で受注を増やすと、社長の現場負担だけが増えることがあるからです。

この会社でも、新しい地域の案件が決まってから協力会社を探す流れになれば、社長が次の業務を同時に抱えることになります。

  • 図面や施工計画の作成
  • 現場管理と品質確認
  • 工種ごとの協力会社探し
  • 新しい協力会社との条件調整
  • 施工後の手直しや再手配
  • 次の案件に向けた営業対応

「仕事はあるけれど、現場管理まで考えると今は受けられない」という状態では、営業先を増やしても受注機会を十分に生かせません。

特に問題になるのは、案件が決まった後に初めて施工会社を探すことです。見つからなければ社長が現場に入るしかなく、見つかっても品質が合わなければ、指示や手直しが増えます。別の業者へ切り替える場合には、工程調整もやり直しです。

受注不足に見えても、実際の制約が「営業先の少なさ」ではなく「社長以外に現場を任せられないこと」にある会社は少なくありません。

したがって、営業強化と施工体制整備の順序は、売上目標だけでは決められません。受注後に誰が現場を動かし、誰が品質を確認するのかまで見て判断する必要があります。

背景

案件決定後の業者探しと厳しい品質確認が社長一人に集中する施工体制

社長の負担が増える背景には、協力会社の「数」と「質」の両方に地域差があることが挙げられます。

地元では一定の協力会社網がある一方、関東など離れた地域では、付き合いのある会社が限られます。募集サイトを使って複数の会社と接点を持つことはできても、実際の品質は任せてみないと分からない部分が残ります。

社長も「いろいろな業者さんに頼み、試しながら進めています」と話していました。施工技術が一定水準に達していても、自社が求める検査基準と合うとは限りません。厳しい検査のある現場を経験してきたため、納まりや仕上がりを見る目線も自然と高くなっています。

ここで協力会社の人数だけを増やしても、根本的な解決にはなりません。手直しの指示、現場への再訪、機材破損への対応が発生すれば、協力会社を使ったことで管理時間が増える可能性もあります。

一方で、案件が少ない時期に多くの協力会社を抱えても、継続的に仕事を依頼できません。技術のある会社ほど既存取引先から安定して仕事を受けているため、必要な時だけ声をかけても予定が合わないことがあります。

施工体制づくりは、会社数を集める活動ではなく、自社の工事量と品質基準に合う会社との関係を地域別・工種別につくる活動です。

この会社の場合も、全国一斉に協力会社を増やすより、次に案件を増やしたい地域を絞り、内装、電気、空調、水道などの不足工種からつながりをつくる方が現実的です。

解決

受注余力と地域別施工網を数値で確認してから営業範囲を広げる段階設計

営業と施工体制のどちらを先に進めるかは、現在の受注余力を可視化すると判断しやすくなります。感覚だけで「まだ受けられる」と考えるのではなく、直近の工事をもとに、少なくとも次の項目を整理します。

1.現在の受注量と同時進行できる現場数を確認する

最初に確認したいのは、月間の受注件数ではなく、同じ時期に何現場まで管理できるかです。

医療系テナント工事では、着工から引き渡しまで常に同じ負荷がかかるわけではありません。図面作成、着工時の打ち合わせ、各工種の施工、検査前、引き渡し前など、社長の関与が増える時期があります。

そのため、次の項目を直近数件の工事で振り返ります。

  • 施工期間と社長が現場に入った日数
  • 図面・見積もり・発注に使った時間
  • 品質確認と検査対応に使った時間
  • 手直しや追加指示に使った時間
  • 2現場が重なった期間に後回しになった業務

「2現場を並行できるか」ではなく、「2現場を並行しても社長が次の準備に使える時間が残るか」が、受注余力の判断基準です。

2.社長が担っている業務を、任せられる仕事と任せにくい仕事に分ける

社長の仕事をすべて減らそうとすると、施工品質まで下がる可能性があります。まずは、社長が関与すべき業務と、協力会社に任せられる業務を分けます。

例えば、顧客との金額調整や全体の品質判断は、引き続き社長が持つ必要があるかもしれません。一方で、工種ごとの施工、日常的な進捗報告、決められた基準に沿った自主検査は、信頼できる協力会社へ移せる余地があります。

任せた後に確認時間がどれだけ減るかも重要です。施工を外へ出しても、毎日細かな指示が必要なら、社長の負担はあまり変わりません。

3.地域別・工種別に協力会社の不足を一覧化する

協力会社は、全地域をまとめて数えるのではなく、地域と工種を分けて整理します。

地域

内装

電気

空調

水道

医療系工事の経験

地元商圏

既存先あり

既存先あり

要確認

要確認

一部あり

関東

候補あり

不足

不足

不足

個別確認

東海

要開拓

要開拓

要開拓

要開拓

未確認

一覧にする際は、会社名だけでなく、対応可能な工事規模、施工地域、保有資格や保険、医療系施設の経験、自社の検査基準への対応状況も確認します。

とりわけ医療系施設では、過去にクリニックなどの施工経験があるかどうかが一つの判断材料になります。経験があれば必ず品質が合うわけではありませんが、用途特有の注意点を共有しやすくなります。

4.案件が決まる前に接点をつくり、小さく相性を確認する

協力会社探しは、案件を受注してから始めるのではなく、次に広げたい地域を決めた段階で始めます。

ただし、最初から大きな現場を任せる必要はありません。過去実績や資格などを確認したうえで、対応可能な工事があれば小さく依頼し、次の点を見ます。

  • 図面や指示の理解にずれがないか
  • 報告や相談のタイミングが合うか
  • 仕上がりが自社の検査基準に達しているか
  • 手直しが発生した際の対応が早いか
  • 継続して依頼できる単価と条件か

協力会社の品質は書類だけでは確定できないため、実績確認と小さな施工機会の両方で見極めることが大切です。

5.施工余力ができた地域から営業を広げる

施工体制を整えるまで、営業を完全に止める必要はありません。営業の目的を「すぐに案件数を増やすこと」から「将来の受注先と関係をつくること」へ一時的に変えます。

そして、必要な工種の協力会社がそろい、社長が現場へ入る回数や品質確認の時間を減らせる見通しが立った地域から、受注を段階的に増やします。

この会社のように「2カ月に1件ほどで十分」という適正量が見えているなら、営業件数をむやみに追う必要はありません。自社が無理なく対応できる工事量に合わせ、受注先と施工網を一地域ずつ広げる方が、結果として利益と品質を守りやすくなります。

順序としては、施工余力の把握、地域別の協力会社整備、少量での品質確認、その後の営業強化が基本です。

まとめ

小規模な建設会社では、受注を増やすことが必ずしも最初の打ち手になるとは限りません。社長が図面、現場管理、品質確認、協力会社探しまで担っている場合、案件が増えるほど改善に使える時間がなくなるからです。

まず整理したいのは、現在の受注量、同時進行できる現場数、社長が使っている時間、地域別・工種別の協力会社数、品質管理や手直しに必要な時間です。

そのうえで、不足する地域と工種から協力会社との接点をつくり、小さな工事で相性を確認します。施工を任せられる見通しが立った地域から営業を広げれば、社長の負担だけが増える状態を避けやすくなります。

案件獲得と施工体制整備は二者択一ではありません。施工可能な量に合わせて、施工網と販路を同じ歩幅で広げることが、小規模企業に合った成長の進め方です。

自社に合う受注と施工体制の順序を整理したい方へ

「営業を先に進めるべきか、協力会社を増やすべきか」は、会社の人数だけでは決められません。案件の種類、施工地域、社長の現場関与、求める品質、既存の協力会社網によって順序が変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の施工体制と販路拡大を横断して整理し、地域別の協力会社開拓や案件獲得の実行まで支援しています。

「うちの場合はどちらから考えるべきか」「現状をどう数値にすればよいか」という段階でも問題ありません。状況を伺いながら次の整理先を一緒に考えます。無理にサービスをご案内することはありませんので、まずは気軽にお声がけください。

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