国土交通省は令和8年7月29日、香川県三豊市の「The Salt Station Hotel プロジェクト」を、優良な民間都市再生整備事業計画として認定しました。認定を受けた事業者は、民間都市開発推進機構による金融支援を受けることができます。
認定された事業計画 | The Salt Station Hotel プロジェクト |
申請事業者 | 瀬戸内ビレッジ株式会社 |
事業地 | 香川県三豊市仁尾町仁尾字北丁898番3 |
事業施行期間 | 令和8年4月30日〜令和8年11月30日予定 |
用途 | ホテル |
構造 | 鉄筋コンクリート造、地上3階 |
敷地面積 | 805.70㎡ |
延べ面積 | 890.95㎡ |
公共施設 | 広場25.40㎡、緑地16.70㎡ |
期待される効果 | 観光客の滞在環境整備、周辺回遊の促進、地域住民と観光客の交流、空き家・空き施設利活用のけん引 |
今回の発表は、単に香川県三豊市でホテルが整備されるという話にとどまりません。既存ストックのリノベーション、観光需要、地域交流、金融支援が一体になった民間都市再生案件として見ると、中小建設業にとっても示唆があります。
1週間で 15件の相談 がありました
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- 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
- 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
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- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
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- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
- 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
今回のポイントは「観光施設」ではなく「地域の既存ストック活用」です
今回の事業では、地域の既存ストックを活用し、宿泊施設、広場・緑地、飲食・交流スペース等を整備する計画とされています。
三豊市では、父母ヶ浜という観光スポットの人気により、ここ5〜6年で来訪者数が100倍の年間50万人となったとされています。一方で、大型の宿泊施設がないため団体の受け入れが難しいこと、また高齢化・人口減少に伴い空き家が放置されていることが課題として示されています。
つまり、今回の事業は新築単体の開発というより、観光需要の受け皿不足と、地域の空き家・空き施設問題を同時に解こうとするリノベーション型のまちづくり案件です。
中小建設業が注目したいのはここです。人口減少地域でも、観光、移住、交流、地域商業などと結びつくことで、建築・改修需要が生まれる可能性があります。今後、同様の案件では、単なる建物工事だけでなく、地域の課題を建築でどう解くかが問われやすくなります。
金融支援が入ることで、民間案件が動きやすくなる
今回の認定により、事業者は民間都市開発推進機構による金融支援を受けることができます。
建設会社側から見ると、これは直接の補助金情報ではありません。ただし重要なのは、民間事業者の資金調達がしやすくなることで、地域の建築・改修プロジェクトが実行段階に進みやすくなるという点です。
地方の民間建築案件では、構想はあっても資金面で止まることがあります。特に、空き家・空き施設の再生、宿泊施設化、地域交流スペースの整備などは、単純な収益不動産より計画の組み立てが複雑になりがちです。
そのため、国の認定や公的な金融支援の存在は、地域の民間投資を後押しする材料になります。中小建設業としては、こうした制度そのものをすべて自社で使うというより、施主や地域事業者がどのような支援制度を使って事業化しているかを知っておくことが大切です。
施工会社に求められるのは「建てる力」だけではなくなっている
今回の計画では、ホテルだけでなく、施設外の広場・緑地、施設内の飲食・交流スペースも整備されます。目的も、宿泊客を受け入れるだけではありません。地元商店や飲食店等への回遊促進、地域住民の居場所づくり、観光客と地域住民の交流が期待されています。
これは、施工側にとっても案件の見方が変わることを意味します。
従来であれば、ホテル工事、外構工事、設備工事、内装工事というように工種ごとに捉えれば十分だったかもしれません。しかし、地域再生型の案件では、建物の使われ方、地域との接点、運営開始後の導線まで含めて理解できる会社が重宝されやすくなります。
もちろん、施工会社が運営まで担う必要があるという意味ではありません。ただ、発注者が何を実現したいのかを理解している会社は、提案や調整の質が上がります。既存建物の改修であれば、想定外の劣化、設備更新、法令対応、工程調整なども発生しやすくなります。そうした場面で、単価だけでなく、計画を前に進める実務力が評価される余地があります。
地方の建設需要は「公共工事か民間住宅か」だけでは見切れない
中小建設業の経営では、地域の需要をどう読むかが非常に重要です。今回のような案件を見ると、地方の建設需要は、公共工事、民間住宅、工場・倉庫といった従来の分類だけでは捉えきれなくなっていることが分かります。
今後、地域によっては次のような複合型の需要が増えていく可能性があります。
- 観光需要を受け止める宿泊・飲食・交流施設の整備
- 空き家、空き店舗、空きビルのリノベーション
- 地域住民も使える広場、緑地、共用スペースの整備
- 民間事業者、公的機関、地域金融、行政施策が組み合わさる案件
こうした案件は、最初から大規模な公共入札として出てくるとは限りません。地元の事業者、観光関連企業、不動産会社、まちづくり会社などが構想を持ち、制度や金融支援を組み合わせながら進めることがあります。
したがって、地域密着の中小建設業にとっては、役所の発注情報だけでなく、地域の民間事業者がどのような構想を持っているかを早めに把握することが、将来の受注機会につながります。
自社で確認しておきたい実務ポイント
今回の発表を受けて、すべての会社がすぐに何かを変える必要があるわけではありません。ただし、同じような地域再生型の案件に関わる可能性がある会社は、次の点を確認しておくとよいです。
まず、既存建物の調査・改修に対応できる体制です。新築と違い、リノベーションでは現地調査、劣化状況の把握、構造・設備の制約確認が重要になります。協力会社を含め、どこまで対応できるかを整理しておく必要があります。
次に、宿泊施設や飲食・交流スペースに関わる設備・内装・安全面の知見です。今回のPDFでは、電気設備、給排水設備、換気設備、消火設備、排煙設備、非常用照明設備が示されています。こうした設備が絡む案件では、建築、設備、消防関係の調整力が実務上の差になります。
さらに、地域事業者との接点づくりも重要です。観光、飲食、不動産、まちづくりに関わる事業者は、工事の発注者や紹介者になるだけでなく、地域の課題を最初に把握している存在でもあります。
最後に、制度や金融支援の情報を、営業や経営の会話に使える状態にしておくことです。建設会社が制度の専門家になる必要はありません。ただ、施主が資金面で迷っているときに、国や自治体の支援制度の存在を把握しているだけでも、相談相手としての価値は上がります。
これからの地域建設業は「まちの変化」を先に読む
今回の三豊市の事業は、観光地の人気上昇、宿泊施設不足、空き家・空き施設の課題、地域交流の場づくりが重なった案件です。
中小建設業にとって大切なのは、こうしたニュースを「遠くのホテル計画」として見るのではなく、自分たちの地域でも同じ構造が起きていないかを考えることです。
観光客が増えている場所はないか。空き店舗や空き家が増えているエリアはないか。地域の事業者が新しい施設をつくりたいのに、資金や計画づくりで止まっていないか。行政がまちづくりやエリア再生に力を入れていないか。
こうした変化を早くつかむ会社は、単なる施工会社ではなく、地域の事業を形にする建設会社として選ばれやすくなります。公共工事の動向を見ることは引き続き重要です。そのうえで、民間都市再生や既存ストック活用の流れも、経営の視野に入れておきたいところです。
自社の地域で同じ流れがあるかを整理する
既存ストックの活用、観光・交流施設の整備、民間事業者の資金調達支援といったテーマは、地域によって形を変えて出てきます。大切なのは、制度名を覚えることよりも、自社の地域でどのような建設需要に変わり得るかを整理することです。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。今回のような地域再生型の案件についても、「自社はどこに関われるのか」「営業先や協力体制をどう考えるべきか」「原価管理や人員体制をどう整えるべきか」といった観点から一緒に整理できます。
ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、まずは自社の地域で起きている変化を落ち着いて見ていくことが第一歩です。無理な営業はいたしませんので、「うちの場合はどう考えるべきか」という段階でも、必要に応じてお問い合わせはこちらからご相談ください。




























