国土交通省は、令和8年都道府県地価調査の結果を公表しました。全国の地価は、全用途平均で5年連続の上昇です。三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が続いています。
発表日 | 令和8年9月15日 |
調査名 | 令和8年都道府県地価調査 |
調査対象 | 全国21,466地点 |
価格時点 | 毎年7月1日時点 |
全国平均 | 全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇 |
三大都市圏 | 全用途平均・住宅地・商業地のいずれも上昇が継続 |
地方圏 | 全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇 |
個別地点の価格 | 不動産情報ライブラリに9月16日掲載予定 |
建設業にとって、地価は遠い話ではありません。
「土地が上がっているらしい」で終わらせるには、少しもったいない情報です。
地価は、民間工事の投資意欲、住宅需要、商業施設の出店判断、自社の資材置場や事務所用地のコストにじわじわ効いてくる数字です。
特に中小建設業では、日々の見積、職人の手配、元請・発注者との会話の中で、地域の空気を読む力が大きな差になります。
今回の発表は、その空気を数字で確認する材料になります。
1週間で 22件の相談 がありました
- 9月16日総合建築千葉県業務効率化システムの相談
- 9月16日空調設備工事会社岐阜県案件獲得の相談
- 9月16日総合建築埼玉県利益率向上の相談
- 9月15日防水工事会社愛知県人材確保の相談
- 9月15日総合土木福岡県業務効率化システムの相談
- 9月15日空調設備工事会社宮崎県人材育成の相談
- 9月14日外構工事会社静岡県案件獲得の相談
- 9月13日外構工事会社沖縄県案件獲得の相談
- 9月13日配管工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月13日総合土木大阪府業務効率化システムの相談
- 9月13日塗装工事会社愛知県協力会社探しの相談
- 9月12日工務店北海道人材確保の相談
- 9月12日総合土木神奈川県人材確保の相談
- 9月12日防水工事会社群馬県協力会社探しの相談
- 9月12日塗装工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
- 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
- 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
- 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
- 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
- 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
- 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
- 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
- 9月8日工務店広島県人材確保の相談
- 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
- 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
今回のポイントは「上昇継続」と「地域差」です
今回の調査では、全国平均で次の傾向が示されています。
全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。
商業地は上昇幅が拡大しています。全用途平均と住宅地は、前年と同じ上昇幅です。
三大都市圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも上昇が継続しました。東京圏と大阪圏では、いずれも上昇幅が拡大しています。一方、名古屋圏では、いずれも上昇幅が縮小しています。
地方圏も、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇しました。ただし、地方四市である札幌市・仙台市・広島市・福岡市では、いずれも上昇幅が縮小しています。
ここで大切なのは、全国一律に同じ動きではないことです。
「地価上昇=どこでも強い需要」とは見ない方がよさそうです。
東京圏、大阪圏、名古屋圏。地方四市。それ以外の地域。住宅地か商業地か。
見る場所によって、受け止め方が変わります。
中小建設業にとっては、受注環境を読む材料になります
地価が上がると、すぐに工事が増えるわけではありません。
ここは冷静に見たいところです。
ただし、地価の上昇が続く地域では、土地の取得、建替え、収益物件、店舗、倉庫、住宅などの投資判断が動きやすくなります。
発注者との会話でも、こんな話が出てくるかもしれません。
「この土地、今のうちに活用した方がいいですかね」
「建替えたいけど、土地も建築費も上がっていて悩んでいます」
「賃貸にするか、売却するか、まだ決めきれません」
こうした相談の背景には、地価の動きがあります。
中小建設業は、地価調査を“営業資料”というより、“顧客の判断が揺れている理由を知る資料”として見ると使いやすいです。
住宅地が上がっている地域では、戸建て、共同住宅、リフォーム、相続関連の建替え需要を確認したいところです。
商業地が上がっている地域では、店舗、事務所、宿泊、倉庫、テナント改修などの動きに目を向けたいところです。
見るべきは全国平均ではなく、自社の営業エリアです
今回の発表で、全国21,466地点が調査対象になっています。
個別地点の価格等は、不動産情報ライブラリに掲載予定です。
経営判断に使うなら、全国平均よりも、自社の営業エリアに近い地点を見ることが大切です。
たとえば、次のような見方です。
- 自社の主力エリアの住宅地は上がっているか
- 商業地は上がっているか、横ばいに近いのか
- 近隣市町村と比べて、動きに差があるか
- 元請や不動産会社が注目しているエリアと一致しているか
- 自社の資材置場、倉庫、事務所の周辺地価はどう動いているか
ここまで見ると、地価調査はぐっと身近になります。
「うちは公共工事中心だから関係ない」と感じる会社もあるかもしれません。
それでも、地域の民間投資が強いか弱いかは、採用、協力会社の単価、職人の稼働、資材置場の確保に影響します。
地価は、地域経済の温度計のひとつです。
建築費上昇と合わせて見ると、発注者の迷いが見えます
地価が上がる局面では、発注者にとって土地の価値は高まります。
一方で、建築費も高止まりしている場合、投資判断は簡単ではありません。
土地は上がっている。けれど、建てる費用も重い。
この板挟みの中で、発注者は悩みます。
「今、建てるべきか」
「規模を落とすべきか」
「仕様を見直すべきか」
「融資は通るのか」
この時に、建設会社側がただ見積を出すだけだと、話が止まりやすくなります。
これからは、見積金額だけでなく、発注者が意思決定しやすい選択肢を出す力がより重要になります。
たとえば、仕様の優先順位を整理する。段階施工を検討する。将来の増改築を見越した設計・施工の考え方を示す。
こうした提案は、地価上昇局面で特に価値が出ます。
自社用地・資材置場のコストにも注意したいところです
地価上昇は、受注面だけの話ではありません。
自社の経営コストにも関係します。
事務所、倉庫、車両置場、資材置場、残土置場。
建設業は、意外と土地を使う商売です。
営業エリアの地価が上がると、将来の移転・拡張・賃借コストに影響する可能性があります。
すぐに動く必要があるとは限りません。
ただ、数年後に「置場が足りない」「倉庫を広げたい」となった時、以前より選択肢が狭くなっていることはあり得ます。
今のうちに、自社の拠点配置を確認しておく価値があります。
- いまの置場は、今後の車両台数に足りるか
- 倉庫や加工場を増やす可能性はあるか
- 賃借地の場合、更新条件に変化はないか
- 若手採用を考えた時、通勤しやすい場所か
- 現場エリアとの距離は適切か
地価のニュースは、こうした経営の棚卸しにも使えます。
まず確認したい3つのこと
今回の地価調査を受けて、中小建設業がまず見るなら、次の3つです。
1つ目は、自社の営業エリアの住宅地・商業地の動きです。
自社の仕事が住宅中心なのか、店舗・事務所中心なのか、公共工事中心なのかで、見るべき用途が変わります。
2つ目は、発注者との会話に変化が出ていないかです。
土地活用、建替え、売却、相続、出店、移転。こうした相談が増えているなら、地価の動きとつながっている可能性があります。
3つ目は、自社の拠点・置場・倉庫の将来コストです。
受注が増えても、置場が足りない。車両が増やせない。人が通いにくい。
そうなると、成長のブレーキになります。
地価が上がっている時ほど、先に場所の戦略を考えておくことが大切です。
地価の動きを、自社の次の一手に変えるために
今回の発表は、すぐに何かの手続きが必要になる制度改正ではありません。
けれど、経営者にとっては見逃しにくい情報です。
地価は、地域の投資意欲、顧客の迷い、自社の将来コストを映す鏡です。
「うちのエリアでは、どう読めばいいのか」
「民間工事を伸ばす材料になるのか」
「置場や倉庫のことも、そろそろ考えた方がいいのか」
そんな整理をしたい時は、ネクスゲートに声をかけてください。中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
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