台風第25号により、印旛沼等の堤防が決壊し、広範囲かつ長期的な浸水被害が発生しています。これを受け、千葉県、独立行政法人水資源機構、関東地方整備局の3者が「チーム印旛沼」を結成しました。台風第26号の接近も考慮し、1週間程度を目途に、緊急排水等オペレーションを進める方針です。
発表日 | 令和8年9月25日 |
対象地域 | 印旛沼周辺地域など千葉県内 |
発生している被害 | 印旛沼等の堤防決壊、広範囲かつ長期的な浸水被害 |
実施主体 | 千葉県、独立行政法人水資源機構、関東地方整備局による「チーム印旛沼」 |
完了目標 | 台風第26号の接近を考慮し、1週間程度を目途 |
主な対策 | 印旛沼の水位低下、決壊堤防の応急復旧、浸水箇所の緊急排水 |
排水ポンプ車 | 今後30台まで増強し、緊急排水オペレーションを実施 |
今回の発表は、単なる災害情報ではありません。地域の建設会社にとっては、災害時に行政・関係機関がどの順番で動き、どの機能を急ぐのかを読み取れる内容です。
1週間で 17件の相談 がありました
- 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
- 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
- 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
- 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
- 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
- 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
- 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
- 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
- 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
- 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
- 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
- 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
- 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
- 9月19日解体工事会社滋賀県業務効率化システムの相談
- 9月18日工務店神奈川県原価管理の相談
- 9月17日工務店三重県業務効率化システムの相談
- 9月16日総合建築千葉県業務効率化システムの相談
- 9月16日空調設備工事会社岐阜県案件獲得の相談
- 9月16日総合建築埼玉県利益率向上の相談
- 9月15日防水工事会社愛知県人材確保の相談
- 9月15日総合土木福岡県業務効率化システムの相談
- 9月15日空調設備工事会社宮崎県人材育成の相談
- 9月14日外構工事会社静岡県案件獲得の相談
- 9月13日外構工事会社沖縄県案件獲得の相談
- 9月13日配管工事会社神奈川県人材確保の相談
- 9月13日総合土木大阪府業務効率化システムの相談
- 9月13日塗装工事会社愛知県協力会社探しの相談
3本柱は「水位を下げる、塞ぐ、排水する」
今回の緊急排水等オペレーションは、次の3本柱で進められます。
1つ目は、印旛沼の水位を可能な限り低下させることです。
9月25日7時時点で約3.0mとなっている印旛沼の水位を、一両日中に平常時の水位である2.3mまで低下させる予定とされています。そのうえで、引き続き可能な限り水位低下を図る方針です。
2つ目は、決壊した堤防の応急復旧です。
対象は、印旛沼等の3地区4か所です。今後の雨で再び水位が上がった場合でも、決壊箇所から再び氾濫しないよう、現地での施工方法について技術的な支援を行い、早期の応急復旧を推進するとされています。
3つ目は、浸水箇所における緊急排水です。
現在、印旛沼周辺地域など千葉県内で稼働している排水ポンプ車に加え、今後30台まで増強し、堤防決壊による氾濫水をいち早く排水する方針です。
現場目線で見ると、流れはかなり明確です。まず水を下げる。次に破堤箇所からの再氾濫を防ぐ。そして浸水している場所の水を抜く。災害対応では、施工そのものだけでなく、排水・仮締切・搬入路・安全確保が一体で動くことが分かります。
中小建設業が見ておきたいのは「短期決戦の段取り」
今回の発表では、1週間程度を目途に完了させることを目指すとされています。
ここが大事です。
通常工事とは違い、災害対応は時間の余裕がありません。台風第26号の接近があるため、判断も施工も前倒しになります。現場では「明日から入れるか」「資機材は出せるか」「重機の手配はどうするか」「夜間や雨天時の安全はどう確保するか」といった確認が、短時間で連続します。
中小建設会社にとっては、災害時に即応できる会社ほど、普段から連絡網・資機材・協力会社・安全書類が整理されているという現実があります。
たとえば、次のような確認です。
- 重機、ダンプ、発電機、照明、ポンプ、土のう関連資材の所在
- オペレーターや現場代理人に連絡がつく体制
- 協力会社との緊急時の連絡ルート
- 雨天・冠水・夜間作業を想定した安全管理
- 作業前後の写真、使用機械、投入人員、作業時間の記録
- 通行止め、搬入路、近隣対応に関する情報共有
「うちは災害対応の元請ではないから関係ない」とは言い切れません。地域の専門工事会社、土木会社、舗装会社、運送会社、設備会社も、状況によっては一部の作業や資機材面で関わる可能性があります。
だからこそ、平時のうちに“呼ばれたら動ける状態”をどこまで作れているかが問われます。
応急復旧では「施工方法の判断」が重くなる
発表では、決壊した堤防の応急復旧について、現地での施工方法に関する技術的支援を行うとされています。
ここにも重要な示唆があります。
災害現場では、図面どおりに進まないことが多くなります。水が残っている。地盤が緩い。搬入路が限られる。重機を置ける場所が少ない。天候が変わる。周辺住民の生活にも影響が出ている。
そうした状況では、現地条件を見ながら、安全に、早く、再被害を防ぐ施工方法を選ぶ力が必要になります。
もちろん、国や自治体、関係機関の指示や技術的支援のもとで動くことが前提です。そのうえで、現場に入る建設会社側にも、状況を正しく伝える力が求められます。
「この搬入路だと大型車は厳しいです」
「ここは敷鉄板がないと重機が沈みます」
「水位がこの高さまで戻ると、作業員の退避基準を決めておく必要があります」
こうした現場からの報告が、応急復旧の精度を上げます。災害時の現場力は、腕の良さだけでなく、報告・判断・撤退基準まで含めた総合力です。
経営者が今確認したい3つのこと
今回のような広域浸水や堤防決壊のニュースを見たとき、中小建設業の経営者が確認したいことは、大きく3つです。
1つ目は、災害時の初動連絡体制です。
誰が行政や元請からの連絡を受けるのか。休日や夜間は誰が判断するのか。社長に連絡が集中しすぎていないか。ここは、意外と属人的になりがちです。
2つ目は、出動できる人員と機械の見える化です。
災害時は、「たぶん空いている」では動けません。どの現場に誰が入っているか。どの機械が使えるか。燃料や運搬手段はあるか。普段から一覧化しておくと、判断が速くなります。
3つ目は、安全と記録の体制です。
緊急時ほど、安全確認と記録が後回しになりやすくなります。しかし、冠水、ぬかるみ、夜間作業、増水、交通規制が重なる現場では、事故のリスクも高まります。作業写真、指示内容、作業時間、投入機械、危険箇所の記録は、後日の整理にも重要です。
災害対応は、地域を守る仕事です。同時に、社員を守る仕事でもあります。「地域のために動く」と「社員を危険にさらさない」を両立する準備が、経営側の大切な役割になります。
災害対応を“特別対応”で終わらせない
今回の印旛沼周辺での対応は、関係機関が連携し、短期間で水位低下、応急復旧、緊急排水を進めるものです。
建設会社にとっては、災害が起きたときだけ慌てて体制を作るのではなく、平時の経営管理の中に災害対応を組み込むことが大切です。
たとえば、月1回の安全会議で災害時の連絡網を確認する。重機・車両一覧を更新する。協力会社との連絡先を整理する。写真記録のルールを決める。こうした小さな積み重ねで、いざというときの動きは変わります。
災害対応力は、地域建設会社の信用そのものになっていきます。
大きな制度改正ではありません。補助金の話でもありません。それでも、地域の建設会社が自社の体制を見直すきっかけとして、今回の発表は重い意味を持っています。
自社の災害対応体制を一度整理しておく
「うちの場合、災害時に誰が何を判断するのか」
「資機材や人員の一覧は、すぐ出せる状態になっているのか」
「安全管理や記録のルールは、現場任せになっていないか」
こうした問いは、忙しい日常の中では後回しになりがちです。ただ、災害対応は現場力だけでなく、会社全体の段取り力が問われます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。災害対応体制の整理も、特別な資料づくりから始める必要はありません。まずは、今ある連絡網、車両・機械一覧、安全書類、現場記録の流れを見える化するところからで十分です。
「何から整理すべきかわからない」「自社の規模だと、どこまで備えればよいか確認したい」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な論点を一緒に整理する場としてお使いください。