国土交通省は、建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度について、第8回検討会を開催すると発表しました。令和8年7月に改正建築物省エネ法が成立し、建築物ライフサイクルカーボン評価制度が創設されています。今後は、2028年度の制度開始に向けて、統一的な算定ルールなどの具体的な制度設計が議論されます。

発表日

令和8年10月1日

検討会

第8回 建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会

開催日時

令和8年10月5日(月)9:30~11:30

背景

令和8年7月に改正建築物省エネ法が成立し、建築物ライフサイクルカーボン評価制度を創設

制度開始の目途

2028年度

当面の対象として示されている内容

大規模事務所に係る届出制度等

主な議題

改正建築物省エネ法の概要、検討事項とスケジュール、検討の骨子と方向性

中小建設業が見るべき点

算定ルール、建材・設備の原単位、発注者や元請から求められる説明資料

1週間で 19件の相談 がありました

  • 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
  • 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
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単なる会議開催ではなく、制度設計が具体化する段階です

今回の発表自体は「検討会を開催します」という案内です。

ただし、中身を見ると、建設業にとっては見逃しにくい動きです。ポイントは、すでに改正建築物省エネ法が成立し、建築物ライフサイクルカーボン評価制度が創設されていることです。

これから議論されるのは、制度の考え方だけではありません。

国土交通省は、大規模事務所に係る届出制度等の2028年度開始に向けて、ライフサイクルカーボンの統一的な算定ルールなどを議論するとしています。

つまり、今は「脱炭素が大事です」という啓発段階から、建築物ごとにCO2排出量をどう算定し、どう評価し、どう届け出るのかという実務段階へ移り始めている局面です。

建築物LCAとは、建物の一生で出るCO2を見る考え方です

建築物LCAは、建物の計画から解体までのライフサイクル全体で排出されるCO2などの環境負荷を算定・評価する考え方です。

これまでの省エネ対策は、主に建物を使っている間のエネルギー消費に目が向きやすいものでした。

一方で、建築物LCAでは、より広く見ます。

たとえば、建材の製造、輸送、施工、使用、改修、解体といった流れ全体が視野に入ります。今回の資料でも、制度の検討項目として、建築物LCAの実施を促す措置、ライフサイクルカーボンの表示を促す措置、LCAに用いる原単位の整備が挙げられています。

中小建設業にとって大事なのは、ここです。

現場で使う材料、施工方法、設備の選定が、将来的に「価格」や「品質」だけでなく「CO2の説明」と結びついていく可能性があります。

まず影響が出やすいのは大規模案件です

今回の発表では、2028年度開始に向けた制度として、大規模事務所に係る届出制度等が示されています。

そのため、現時点で全ての中小建設会社に一律の届出義務が発生する、と読むべきではありません。制度の詳細な対象や実務の範囲は、今後の検討内容を確認する必要があります。

ただ、建設業では制度の直接対象よりも、少し外側にいる会社へ影響が広がることがあります。

大規模事務所の新築・改修に関わる元請、設計者、発注者が対応を求められると、その下流にいる専門工事会社、設備会社、建材納入会社にも、次のような確認が来る可能性があります。

  • この建材・設備の環境情報はあるか
  • 代替材料を使った場合、CO2面でどう違うか
  • 施工方法や仕様変更が評価にどう影響するか
  • 見積書や提案書で説明できる情報は何か

最初は大規模案件から始まり、公共性の高い案件、不動産価値を重視する案件、環境配慮を掲げる民間案件へ広がる。そうした流れは十分に考えられます。

中小建設業が見るべき論点は「算定ルール」と「原単位」です

今回の検討会で注目したいのは、制度の理念よりも実務の部品です。

特に見るべきは、統一的な算定ルールと、LCAに用いる原単位の整備です。

原単位とは、簡単に言えば、ある材料やエネルギーなどについて、一定量あたりどれだけCO2排出に関係するかを計算するための基礎データです。

この整備が進むと、建設会社側の実務も変わります。

これまで「この材料は安い」「この仕様は施工しやすい」「この納まりは慣れている」という判断が中心だった場面で、今後は、この選択はライフサイクルカーボン上どう評価されるのかという視点が加わります。

もちろん、現場の判断はCO2だけで決まりません。安全、品質、工期、コスト、メンテナンス性。どれも外せません。

ただ、発注者が比較表を求めるようになれば、建設会社側も説明材料を持つ必要があります。「いつもの仕様です」だけでは通りにくい場面が増えるかもしれません。

今すぐ大きな投資をするより、情報を残す体制づくりが現実的です

中小建設企業が今からできることは、大げさな脱炭素投資だけではありません。

まずは、日々の仕事で使っている情報を整理することです。

たとえば、次のような確認です。

  • 主要な建材・設備のメーカー名、品番、仕様を残せているか
  • 代替品を提案するとき、価格差だけでなく性能差を説明できるか
  • 見積書の内訳が、後から材料別・工種別に追える形になっているか
  • 元請や設計者から環境情報を求められたとき、誰が確認するか決まっているか
  • 公共工事や大規模民間案件で、環境配慮に関する要求事項を読み飛ばしていないか

これは、脱炭素対応であると同時に、原価管理や見積精度の改善にもつながります。

建築物LCAへの対応は、将来的には「環境部門だけの仕事」ではなく、営業、積算、購買、現場管理がつながるテーマになります。中小企業ほど、最初から完璧な専門部署を作るより、見積・購買・施工記録の情報を残す習慣を整えるほうが実務的です。

競争力の見方も少し変わります

この制度が進むと、建設会社の競争力は少し変わっていきます。

安く、早く、きれいに施工できることは、これからも重要です。

そのうえで、発注者が説明責任を果たしやすい施工会社が選ばれやすくなる可能性があります。

たとえば、環境性能を重視する建築主に対して、元請が「この協力会社なら材料情報の提出が早い」「仕様変更時の比較がしやすい」「現場記録が整っている」と感じれば、それは信頼になります。

中小建設業にとって、これは負担だけではありません。

きちんと情報を出せる会社は、大手に埋もれずに評価される余地があります。特に専門工事会社は、自社の工種について深い知見を持っています。材料、納まり、施工性、維持管理まで含めて説明できることは、これからの提案力になります。

今後は公開資料と議事要旨を確認したいところです

国土交通省は、今回の検討会の資料と議事要旨を後日ホームページで公開するとしています。

中小建設業としては、次の点を確認したいところです。

  • 届出制度等の具体的な対象建築物
  • 施工者に求められる情報提供の範囲
  • 建材・設備の原単位データの扱い
  • 表示制度が発注・販売・賃貸にどう関係するか
  • 公共工事や民間発注条件への波及可能性

今回の発表だけで、自社の対応を決め切る必要はありません。

ただし、流れは明確です。建築物の脱炭素は、建物の運用時だけでなく、つくる段階、使う材料、解体まで含めて評価する方向へ進んでいます。

自社への影響を落ち着いて整理するために

建築物LCA制度は、まだ具体化の途中にあります。だからこそ、今の段階では「何をしなければならないか」だけでなく、自社のどの仕事に影響が出そうかを整理しておくことが大切です。

大規模案件に関わる会社、元請から資料提出を求められやすい専門工事会社、建材や設備の選定に関わる会社では、見ておくべきポイントが少しずつ違います。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。制度対応を単独のテーマとして見るのではなく、見積、購買、施工管理、社内の情報共有とつなげて考えることができます。

「うちの場合は、どこから確認すればよいか」「元請から求められたときに備えて、何を整えておくべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な整理先として活用してください。

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