前提

10名弱で現場を回し、5年以内に定年を迎える社員がいる専門工事会社の現在地

栃木県内を中心に工事を請け負う、従業員10名弱の専門工事会社があります。目の前の仕事や経営に大きな問題があるわけではありません。一方で、社員の年齢は少しずつ上がり、5年以内に定年を迎える人もいます。

経営者から出てきたのは、「若手人材が増えればとは思っています」「だんだん年齢が上がってきているので、今のままだと人がいなくなってしまう」という言葉でした。

ただし、求人媒体への掲載や学校訪問など、具体的な採用活動はまだ行っていません。採用したい人数についても、「特に考えていない」という段階です。

これは、採用への危機感がないというより、現場を将来も維持するために若手が必要だと感じながら、必要人数や採用方法を具体化できていない状態と捉えるほうが実態に近いでしょう。

1週間で 19件の相談 がありました

  • 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
  • 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
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課題

「若手がいれば」という希望のままで、採用人数と開始時期を決められない状態

最初に整理したいのは、求人媒体ではありません。何人を、いつまでに、どのような役割で採用するかです。

実際、「具体的に何名ぐらい採用したいですか」と聞かれても、すぐには答えにくいものです。社員の退職時期だけでなく、その人が担っている現場、技術、取引先との関係、若手を一人前にするまでの期間まで見なければ、必要人数を決められないからです。

たとえば、3年後に1人が定年を迎えるとしても、3年後に採用すれば間に合うとは限りません。未経験者を迎えるなら、先輩社員と一緒に現場へ入り、仕事を覚えてもらう期間が必要です。採用活動にも時間がかかるため、実際の着手時期はさらに前になります。

採用人数は「退職者と同じ人数」ではなく、退職時期、担当業務、引き継ぎ期間、今後維持したい施工体制から逆算する必要があります。

この逆算がないまま求人を出すと、応募が来ても採用基準を決められません。反対に応募が来なければ、媒体が悪いのか、条件が合わないのか、伝え方に問題があるのかを判断できず、活動が止まりやすくなります。

背景

採用媒体が増える一方で、若手に伝える会社の魅力が言葉になっていない状況

採用を始めようとすると、ハローワークや求人検索サイト、人材紹介、ダイレクトリクルーティングなど、数多くの選択肢が出てきます。その結果、「何を使うのが一番よいのかわからない」という状態になりがちです。

以前のように、広く知られた求人媒体へ掲載すれば一定数の応募が見込めるとは限りません。求職者が利用する場所は分散し、求人を出す企業も増えています。資金をかけて目立たせるだけでなく、誰に何を伝えるかが採用結果を左右します。

特に小規模な建設会社では、仕事や会社の魅力が社内で当たり前になっています。

  • どのような工事を担い、地域や顧客にどう役立っているのか
  • 未経験者をどのように育てるのか
  • どのような考え方の社員が働いているのか
  • 経営者が仕事や人材育成をどう考えているのか
  • 収入、休日、働き方にどのような選択肢があるのか

こうした情報が求人票や採用サイトに出ていなければ、若手からは会社ごとの違いが見えません。

ある工事会社では、経営者が大切にしていた「ものづくりは人づくりでもある」という考え方を言葉にし、採用サイトで若手に伝えました。単に仕事内容や給与を並べるのではなく、会社が何を大切にしているのかを示した形です。

若手採用では、会社に魅力があるかどうか以上に、その魅力を求職者が理解できる言葉で示せているかが重要です。

また、「最近の若い人は休日を重視する」と一括りにするのも避けたいところです。休日を確保したい人がいる一方で、「一定期間はしっかり働いて収入を増やしたい」と考える人もいます。若手を一つの価値観で捉えると、本来出会えた人材まで採用対象から外してしまいます。

解決

退職見通し、求める若手像、応募動線の順に進める採用戦略の組み立て

若手採用は、次の順番で整理すると具体的な活動へ移しやすくなります。

1.5年先までの人員見通しを年単位で並べる

まず、現在の社員について、今後も働く見込みの期間と担っている役割を整理します。精密な人員計画でなくても構いません。

確認したいのは、次のような項目です。

  • 定年や退職の可能性がある時期
  • その社員が担当している工事や役割
  • 代わりを担える社員の有無
  • 若手への引き継ぎに必要な期間
  • 現在の施工体制を維持するために不足する人数

10名弱の会社で1人が抜ける影響は、小さくありません。人数だけでなく、「その人が抜けると何ができなくなるか」まで確認することが大切です。

たとえば、3年後の退職に備えて2年間の育成期間が必要なら、採用活動は少なくともそれより前に始めます。すぐに採用できるとは限らないため、募集期間も含めて余裕を持たせます。

若手採用の開始時期は、定年の日ではなく、採用期間と育成・引き継ぎ期間を手前に足して決めます。

2.「若手」ではなく、任せたい仕事と働き方まで決める

次に、求める人物像を具体化します。年齢だけを決めても、求人票の内容や面接基準には落とし込めません。

少なくとも、次の点は社内で揃えておきたいところです。

  • 未経験者を受け入れるのか、経験者を求めるのか
  • 入社後、最初にどの仕事を任せるのか
  • どのくらいの期間をかけて育てるのか
  • 収入と休日のどちらを重視する人に来てほしいのか
  • 会社のどのような考え方に共感してほしいのか

ここで大切なのは、理想を並べすぎないことです。今後の現場を支えてもらうために、入社時点で必要な条件と、入社後に身につけてもらえることを分けます。

「若くて経験があり、長く働いてくれる人」ではなく、「どの仕事を任せ、会社がどう育てるか」まで定めると、採用対象が明確になります。

3.若手が会社を知って応募するまでの動線を描く

求める人物像が決まったら、その人が普段どこで仕事を探し、応募前に何を確認するかを考えます。

たとえば、求人検索サイトで会社を知った人が、社名を検索し、ホームページや採用サイトを確認してから応募する流れがあります。高校生を対象にするなら、学校訪問や進路指導担当者との接点が入口になることもあります。

この動線では、求人媒体だけ整えても十分ではありません。求職者が会社名を検索したとき、仕事内容や働く人、育成方法、経営者の考え方を確認できる場所が必要です。

採用サイトを新設すること自体が目的ではありません。既存のホームページでも、若手が知りたい情報を整理できるなら活用できます。求人票とホームページの内容が食い違わないことも重要です。

求人媒体は応募を集める入口であり、ホームページや採用サイトは応募してよい会社かを判断してもらう場所です。

4.経営者と社員の言葉から、求人で伝える内容をつくる

採用向けの文章をつくる際は、経営者だけで考え込まず、社員への聞き取りも有効です。外から見ると小さなことでも、応募者にとっては会社選びの材料になるためです。

経営者には、創業時の思い、人を育てる考え方、今後も残したい仕事の姿勢を聞きます。社員には、入社理由、仕事を覚えた過程、働き続けている理由などを確認します。

それらをもとに、求人票や採用ページでは次の内容を具体的に伝えます。

  • 会社が大切にしている価値観
  • 実際に担当する工事と一日の役割
  • 未経験から仕事を覚える流れ
  • 給与や休日の考え方
  • 入社後に目指せる役割

良い面だけを大きく見せる必要はありません。仕事内容や条件を正確に示し、そのうえで「どのような人と働きたいか」を伝えるほうが、入社後の行き違いを減らせます。

5.収入重視と休日重視の選択肢は、現場運営まで見て決める

ある工事会社では、休日を重視する人向けと、働く日数を増やして収入を重視したい人向けに、異なる募集条件を用意しました。さらに、入社後も定期的に面談し、本人の希望に応じて働き方を見直せるようにしています。

この方法は、若手の価値観を一つに決めつけず、採用の間口を広げるうえで参考になります。ただし、単に求人票を二つに分ければよいわけではありません。

導入前には、次の点を確認する必要があります。

  • 法令を守った休日・労働時間になっているか
  • 働き方による給与差を明確に説明できるか
  • 現場の配置や工程を無理なく組めるか
  • 本人の希望が変わったときに見直せるか

働き方の選択肢は採用上の見せ方ではなく、入社後も約束どおり運用できる制度として設計することが前提です。

ここまで整理したうえで、求人検索サイト、ハローワーク、学校訪問などから、自社の採用対象に合う手法を選びます。媒体選びは採用戦略の出発点ではなく、最後に決める実行手段です。

まとめ

社員の高齢化が進む小規模建設会社では、「若手がいれば助かる」と感じた時点が採用計画を整理するタイミングです。ただし、いきなり求人媒体を選ぶ必要はありません。

最初に、5年先までの退職見通しと現場への影響を確認します。そのうえで、採用人数と開始時期、任せたい仕事、育成期間、求める働き方を具体化します。さらに、若手が会社を知ってから応募するまでの動線を描き、経営者の価値観や仕事の魅力を求人票と採用サイトへ落とし込みます。

若手採用は、媒体への掲載ではなく、将来の施工体制から必要な人材を逆算するところから始まります。

人数を急に増やすことだけが正解ではありません。現在の社員から次の世代へ、無理なく仕事を引き継げる状態をつくることが、最初の採用目標になります。

自社に必要な若手人数と採用の進め方を整理したい方へ

「定年を迎える社員はいるが、何人採用すべきかわからない」「求人を出す前に、何から決めればよいのか整理したい」という段階でも、採用計画を考え始められます。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。若手採用についても、人員見通し、求める人物像、採用動線、求人票や採用サイトで伝える内容を、自社の規模や地域性に合わせて一緒に組み立てます。

まだ採用人数や手法が決まっていなくても問題ありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、自社の場合は何から整理すべきかを確認する場としてご活用ください。

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