職人・施工管理・営業が足りず、無料求人媒体で募集を続ける東海地方の少人数建設会社
東海地方にある従業員10名未満の建設会社では、改修工事と関連資材のリースを手がけています。営業は実質1名、自社の現場作業員も少なく、施工管理は数名。施工の多くを協力会社に支えてもらっている状況です。
「職人も足りないし、監督も足りない。営業ももう一人ほしい」
受注や問い合わせがあっても、営業が十分に回りきれません。現場を協力会社に依存する割合が高くなり、外注費もかさみます。そこで、自社施工できる体制を少しずつ整えようと、公共職業安定所や無料求人媒体に求人を掲載していました。
しかし、管理画面を見る限り、求人はほとんど閲覧されていませんでした。求人を掲載していることと、求職者に見つけてもらえていることは別です。
無料掲載では、会社名、勤務地、職種などをかなり具体的に検索されなければ、求人が表示されにくいことがあります。会社をまだ知らない求職者にとっては、求人が存在していないのと近い状態です。
一方で、有料掲載に切り替えれば自動的に応募が増えるわけでもありません。採用媒体は人を採る仕組みそのものではなく、設計した求人を求職者へ届けるための入口です。 出稿前に、誰へ何を伝える求人なのかを整理しておく必要があります。
1週間で 19件の相談 がありました
- 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
- 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
- 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
- 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
- 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
- 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
- 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
- 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
- 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
- 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
- 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
- 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
- 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
- 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
- 9月21日ビルメンテナンス東京都人材育成の相談
- 9月20日工務店茨城県業務効率化システムの相談
- 9月20日内装工事会社愛知県人材育成の相談
職人・施工管理・営業を一つの曖昧な求人で集めようとしている状態
見直すべき最初のポイントは、求人媒体よりも採用ターゲットです。
職人、施工管理、営業は、仕事の内容も、転職時に気にする点も異なります。にもかかわらず、「建設業で働く人を募集」「経験者歓迎」「アットホームな職場」といった広い表現にまとめると、求職者は自分に向けられた求人だと感じにくくなります。
「100人に広く好かれる求人ではなく、100人のうち1人か2人に届く内容にする」
中小建設会社の採用では、この考え方が重要です。大手企業と同じように、給与、休日、福利厚生を並べて幅広い層へ訴求しても、知名度や広告予算の差がそのまま出てしまいます。中小企業の求人は、応募してほしい人を絞り、その人が働く理由を具体的に示すほど伝わりやすくなります。
たとえば、同じ会社でも職種ごとに伝える内容は変わります。
- 職人には、担当する工事、現場の範囲、未経験から覚える手順、自社施工を増やしていく方針
- 施工管理には、任せる現場、協力会社との関わり方、資格の必要性、裁量の範囲
- 営業には、扱う工事や商品、既存顧客と新規顧客の比率、技術知識を身につける方法
さらに、「経験者なら誰でもよい」のか、「未経験でも育てたい」のかによって、求人原稿はまったく違うものになります。
希少な有資格の施工管理経験者を採るのであれば、人材紹介を含めて相応の採用費を検討する余地があります。一方、職人や若手を育てる方針なら、紹介手数料へ大きく投資するより、採用ページと育成体制へ資金を振り分けたほうが合う場合もあります。
まず決めるべきなのは媒体ではなく、「どの職種の、どのような人を、なぜ今採るのか」です。
無料掲載で見つからず、会社を調べに来ても働く姿が見えない二つの離脱
応募が来ない背景には、大きく二つの離脱があります。
一つ目は、求人が検索結果に十分表示されず、見つけてもらえないことです。無料求人媒体では露出が限られるため、会社名を知っている人が、勤務地や職種まで組み合わせて検索しなければ表示されないことがあります。
二つ目は、求人を見た人が会社のWebサイトを訪れても、働く判断材料を得られないことです。
求職者は、求人票だけで応募を決めるとは限りません。会社名を検索し、Webサイトで事業内容や会社の雰囲気を確認します。ところが、商品カタログのようなWebサイトしかなく、施工実績や社員の姿、入社後の仕事が分からなければ、そこで離脱してしまいます。
「求人情報を見た人は、会社のホームページも見ますよね。何をしている会社か分かるようにしたい」
この会社も、営業用の情報と採用情報を一つのWebサイトへ載せようとしていました。ただし、商品を売るページと、働く場所として選んでもらうページでは、読み手も目的も異なります。
営業用ページでは、対応できる工事や商品の特徴、問い合わせ方法が重視されます。採用ページで必要なのは、次のような情報です。
- どのような人が働いているか
- 実際の現場でどのような仕事をするか
- 社員はなぜ入社したのか
- 未経験者をどのように育てるか
- 入社後にどのような仕事や役割を目指せるか
- 会社がどのような仲間を求めているか
別の少人数の専門工事会社では、社員への聞き取りをもとに、社員紹介、入社のきっかけ、現場で働く姿、入社後のステップを採用ページへ掲載しました。そのうえで求人広告を運用したところ、数件の応募から複数名との面接につながり、2名の採用に至りました。
大切なのは、見栄えのよいサイトを作ったことだけではありません。既存社員の言葉から自社の魅力を掘り起こし、欲しい人へ届くメッセージに整えてから広告を出したことが、応募につながったポイントです。
職種別の人物像、採用ページ、求人広告を順番に設計する進め方
採用を立て直すときは、いきなり有料掲載の予算を増やすのではなく、設計、受け皿、集客、改善の順に進めると整理しやすくなります。
1.経営上の優先順位から募集職種を一つずつ決める
職人、施工管理、営業を同時に募集したくなる状況は珍しくありません。ただ、採用予算と社内の対応時間が限られる場合、最初に優先職種を決めたほうが改善しやすくなります。
判断するときは、次の点を確認します。
- 採用できれば外注費の負担を下げやすい職種はどれか
- 受注機会を逃している直接の原因は、営業不足か施工体制不足か
- 現在の社員が教育できる職種はどれか
- 経験者採用と未経験者育成のどちらが現実的か
- 採用後、安定して任せられる仕事量があるか
今回のように協力会社への依存度が高く、自社施工を増やしたい会社なら、職人の採用が利益体質の改善に直結する可能性があります。一方、現場を管理できず受注を断っているなら、施工管理の優先度が上がります。
「人が足りない」ではなく、「誰が入ると、会社のどの詰まりが解消されるか」まで言葉にすると、募集職種の優先順位が定まります。
2.一人の候補者を想定して求人内容を作る
募集職種を決めたら、求める人物像を具体化します。年齢や資格だけではなく、現在の働き方や転職理由まで想定するのがポイントです。
たとえば、未経験の職人を採るなら、次のように整理できます。
- 建設業は未経験だが、体を動かす仕事に関心がある
- 入社後に何を教えてもらえるか分からず不安を感じている
- 一人前になるまでの期間や取得できる資格を知りたい
- 現場の人間関係や、一緒に働く人を確認してから応募したい
経験者の施工管理を採るなら、任せる現場の規模、移動範囲、協力会社との関係、資格の扱い、将来の役割を明確にします。
ここで「誰でも歓迎」と広げすぎると、メッセージが薄くなります。応募条件をただ狭めるのではなく、特定の人が「自分のことだ」と感じられる情報を増やすことが、ターゲットを絞る意味です。
3.社員の声から自社の魅力を具体化する
自社の魅力は、経営側だけで考えると「風通しがよい」「成長できる」といった抽象的な言葉になりがちです。既存社員へ短い面談を行い、実際の経験を聞くと、求人に使える具体的な材料が見つかります。
聞いておきたいのは、次のような内容です。
- なぜこの会社へ入社したのか
- 入社前に不安だったことは何か
- 実際に働いてみて印象が変わった点は何か
- どのように仕事を覚えたのか
- どのような人なら一緒に働きやすいか
- 仕事を続けている理由は何か
社員の答えをそのまま美化する必要はありません。「最初は工具の名前も分からなかった」「先輩と現場へ同行しながら覚えた」といった言葉のほうが、未経験者には伝わることがあります。
採用上の魅力は、会社が言いたいことではなく、候補者が入社を判断できる具体的な事実として表します。
4.広告出稿前に採用ページを受け皿として整える
採用ページには、最低限、仕事、働く人、育成、キャリア、募集条件、応募方法を載せます。
特に建設業では、「入社後にどのような順番で仕事を覚えるのか」が見えにくいため、育成の流れを具体化することが大切です。最初に同行する相手、覚える作業、資格取得の扱い、独り立ち後の役割など、実際に説明できる範囲で示します。
社員紹介では、氏名などを必要以上に公開しなくても、担当業務、入社理由、仕事の面白さ、一日の関わり方を伝えられます。実際の働く人と現場の姿が分かれば、求人票だけでは伝わらない安心材料になります。
応募方法も、入力項目の多いフォームだけに限定せず、自社で対応可能なら、簡潔なフォームなど候補者が使いやすい導線を検討できます。
採用ページは会社案内の付属品ではなく、求人を見た人が応募するかどうかを決める受け皿です。
5.少額から広告を試し、数字が落ちている場所を直す
求人と採用ページを整えたら、有料掲載を小さく試します。最初から長期間の予算を固定するのではなく、上限を決めて運用し、反応を見ながら調整します。
確認したい指標は、少なくとも次の四つです。
- 求人の閲覧数・クリック数
- 応募数
- 面接設定数・実施数
- 採用数
数字を見ると、どこに課題があるかを切り分けやすくなります。
- 閲覧が少ない場合:職種名、勤務地、検索される言葉、広告の露出を見直す
- 閲覧はあるが応募がない場合:仕事内容、条件、社員の姿、育成内容を見直す
- 応募はあるが面接につながらない場合:ターゲット設定、応募後の連絡、選考条件を見直す
- 面接はできるが採用できない場合:面接時の説明と求人内容のずれを確認する
広告費は、職種や地域、競合状況によってクリック単価が変わります。そのため、「月にいくら使えば必ず採れる」という考え方ではなく、閲覧から応募、面接、採用までを一つの流れとして見て、詰まっている場所へ手を入れる運用が必要です。
まとめ
求人を出しても応募が来ないとき、すぐに「建設業だから仕方がない」「もっと広告費をかけるしかない」と考える必要はありません。
無料掲載では、そもそも求人を見つけてもらえていない可能性があります。ただし、有料掲載へ変えるだけでも不十分です。職人、施工管理、営業を分け、それぞれで欲しい人物像と伝える内容を設計する必要があります。
進め方の要点は次の通りです。
- 経営上の詰まりから、優先して採る職種を決める
- 100人へ広く伝えるのではなく、自社に合う1人か2人へ向けて求人を書く
- 社員の声、働く姿、育成方法、入社後のキャリアを採用ページで示す
- 採用ページを整えてから、求人広告を少額で試す
- 閲覧、応募、面接、採用の数字を見て、詰まっている場所を改善する
採用媒体は、設計した求人を届ける手段です。媒体選びの前に「誰を採りたいのか」「その人が自社を選ぶ材料は何か」を整理することが、応募につながる採用活動の出発点になります。
自社に合う採用ターゲットと求人の伝え方を整理するために
職人、施工管理、営業のどこから採用すべきかは、外注体制、受注状況、教育できる社員、今後の事業方針によって変わります。「うちの場合は誰を狙うべきか」「求人と採用ページのどちらから直すべきか」という段階から整理しても問題ありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、現場体制や組織づくり、育成、デジタル活用まで横断して整理し、実行を支援しています。建設業の経営課題を解決し、未来をつくるパートナーとして、採用ターゲットの設定、社員の声の整理、採用ページや求人内容の改善も一緒に進めます。
状況を伺ったうえで、今は外部支援が必要ないと考えられる場合も含め、次の整理先を率直にお伝えします。無理に取り組みを勧めることはありませんので、まだ考えがまとまっていない段階でも気軽にお声がけください。