国土交通省は、大型車の冬用タイヤへの交換時期に車輪脱落事故が増える傾向を踏まえ、関係団体と連携して「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施すると発表しました。期間は令和8年10月から令和9年2月までです。

令和7年度の大型車の車輪脱落事故は128件。令和6年度の120件から8件増えています。冬用タイヤへの交換を控える会社にとっては、単なる注意喚起ではなく、車両管理と安全管理の見直しタイミングとして受け止めたい内容です。

発表主体

国土交通省 物流・自動車局 自動車整備課

発表日

令和8年10月1日

取組名

大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン

実施期間

令和8年10月から令和9年2月まで

令和7年度の事故件数

128件

前年度比

令和6年度120件から8件増加

主な傾向

約5割が11月から1月、5割以上がタイヤ脱着作業後1ヶ月以内、9割以上が左後輪

主な呼びかけ

タイヤ脱着時の確実な作業、増し締め、日常点検時のホイール・ナット緩み確認など

1週間で 19件の相談 がありました

  • 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
  • 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
  • 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
  • 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
  • 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
  • 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
  • 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
  • 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
  • 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
  • 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
  • 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
  • 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
  • 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
  • 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
  • 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
  • 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
  • 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
  • 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
  • 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
  • 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
  • 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
  • 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード

建設会社が特に見ておきたいのは「タイヤ交換後1ヶ月」です

今回の発表で重要なのは、事故が冬季に集中しているだけではありません。

令和7年度の事故128件のうち、64件、つまり50%が11月から1月に発生しています。さらに、69件、約54%がタイヤ脱着作業後1ヶ月以内に発生しています。

これは、冬用タイヤへの交換そのものが危ないという話ではありません。問題は、交換作業の品質と、その後の保守管理です。

国土交通省は、多くの事故車両で次のような不十分さが確認されたとしています。

  • タイヤ脱着作業時のさび取り清掃が不十分
  • 各部位への潤滑剤の塗布が不十分
  • ホイール・ナットが円滑に回るかの点検が不十分
  • 増し締めが確実に実施されていない
  • 日常点検時のホイール・ナット緩み確認が確実に実施されていない

建設業では、現場の始業前、資材の積み込み、移動、帰社後の片付けまで、車両は毎日動きます。大型車を使っている会社では、「交換したら終わり」ではなく、「交換後1ヶ月を重点管理期間にする」という考え方が現実的です。

事故の約95%が左後輪という偏りも見逃せません

別紙資料では、令和7年度の車輪脱落事故について、約95%が左後輪からの脱落と示されています。

また、タイヤ脱着作業の内容別では、約85%がタイヤ交換等の作業実施後の脱落でした。作業実施者別では、約56%が大型車ユーザーによるタイヤ脱着作業後の脱落とされています。

ここから中小建設会社が読み取るべきことは明確です。

自社でタイヤ交換をしている会社ほど、作業手順と確認記録を標準化する価値が高いということです。

もちろん、外部のタイヤショップや整備事業者に依頼している場合も安心しきる話ではありません。発表資料では、タイヤ専業店や自動車整備事業者による作業後の事故も示されています。大事なのは、誰が作業するかだけではなく、作業後に自社側でどう確認し、どう点検を継続するかです。

現場任せにしない。見るべきポイントは「締付・清掃・潤滑・増し締め」です

国土交通省の資料では、作業及び保守管理の不備として、締付力管理不備、劣化・摩耗確認や清掃不備、潤滑剤塗布不適切、増し締め未実施、点検時確認不備などが挙げられています。

中小建設会社では、車両管理が「よく分かっている人」に寄りがちです。頼れる人がいることは強みです。一方で、繁忙期や担当者不在時には、確認が抜けやすくなります。

冬用タイヤ交換の前に、最低限、次のような確認を社内でそろえておきたいところです。

  • タイヤ脱着時に、さび取り清掃を実施したか
  • ホイール・ナット、ワッシャ等が円滑に回る状態か確認したか
  • 必要な部位への潤滑剤塗布が適切に行われたか
  • 締付力の管理をどのように確認したか
  • 交換後の増し締めを、誰が、いつ確認するか決めているか
  • 日常点検でホイール・ナットの緩みを確認する流れがあるか

ポイントは、細かい知識を一部の人だけが持つ状態にしないことです。チェック項目、確認者、確認日を残すだけでも、管理の質は変わります。

経営者層への周知が入っている意味

今回の主な取組には、運送事業者、タイヤショップ、整備事業者等への周知に加えて、大型トラック運送事業者の経営者層に対する周知も含まれています。

これは建設会社にとっても示唆があります。

車輪脱落事故の防止は、整備担当者だけの仕事ではありません。車両の稼働計画、現場の段取り、点検に使える時間、協力会社との役割分担。これらは経営や管理部門の判断とつながっています。

たとえば、朝一番に車両を出したい現場が続くと、点検は短くなりがちです。繁忙期にタイヤ交換が重なると、作業後の確認も後回しになりやすい。だからこそ、冬季の車両管理は「現場の注意」ではなく「会社の段取り」として設計する必要があります。

車輪脱落予兆検知装置も、選択肢として見ておく

今回の取組には、車輪脱落予兆検知装置の普及促進も含まれています。

資料では、導入の案内が添付されています。すべての会社がすぐに導入するものと決めつける必要はありません。ただ、車両台数が多い会社、長距離移動がある会社、降雪地域で大型車の稼働が多い会社では、今後の選択肢として情報を持っておく価値があります。

大事なのは、装置を入れるかどうかだけではありません。点検、記録、教育、技術的な検知をどう組み合わせるかです。

中小建設会社にとって安全管理は、コストであると同時に、信用の土台です。事故を減らす会社は、現場だけでなく、車両の使い方にも会社の姿勢が出ます。

まずは冬用タイヤ交換の前後1ヶ月を「見える化」する

今回の発表を受けて、最初に取り組みやすいのは、冬用タイヤ交換の前後1ヶ月の管理を見える化することです。

難しい仕組みでなくても構いません。

  • 対象車両を一覧にする
  • タイヤ交換日を記録する
  • 作業実施者を記録する
  • 交換後の増し締め予定日と実施日を記録する
  • 日常点検でホイール・ナット緩み確認を行う
  • 左後輪を含め、確認漏れがないよう点検項目をそろえる

これだけでも、属人的な管理から一歩進めます。

特に、複数の現場を同時に動かす会社では、車両が「誰の管理下にあるのか」が曖昧になりがちです。安全管理は、気合いよりも見える化です。冬の入り口で、車両台帳や点検表を一度見直しておきたいところです。

自社の車両管理を整理するきっかけにする

今回のニュースは、制度改正ではありません。ですが、大型車を使う会社にとっては、冬前の実務に直結する注意喚起です。

「うちは何台が対象になりそうか」「タイヤ交換後の増し締めは記録できているか」「点検が人に依存していないか」。まずはそこから整理すると、自社に必要な対応が見えやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両管理や安全管理も、現場運営や組織づくりと切り離せないテーマです。

「うちの場合はどこから整えればよいか」「点検表や管理方法を見直したいが、何から始めるべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、冬前の整理先として必要に応じてご活用ください。

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