国土交通省は、令和8年10月1日付で、令和8年度の「TEC-FORCE予備隊員」を全国で499名登録したと発表しました。昨年度比では157名の増加です。
TEC-FORCE予備隊員は、災害対応に関する専門的な知識・経験を持つ民間企業等の人材を登録し、災害発生時に必要に応じて非常勤の国家公務員として採用し、被災地等でTEC-FORCEの一員として活動してもらう制度です。
発表内容 | 令和8年度「TEC-FORCE予備隊員」の登録 |
登録日 | 令和8年10月1日 |
登録人数 | 全国499名 |
昨年度比 | 157名増 |
名簿登録期間 | 令和9年12月31日まで |
内訳 | 地方整備局等421名、地方運輸局等43名、地方航空局35名 |
主な活動 | 被災状況調査、給水活動、技術的助言、物資拠点運営支援、輸送調整など |
制度の位置づけ | 災害時に民間企業等の専門人材を非常勤の国家公務員として採用し、TEC-FORCEの一員として派遣 |
今回の発表は、単なる人数の公表に見えますが、中小建設業にとっては見逃せない意味があります。災害対応において、行政職員だけでなく、民間の専門人材を制度的に活用する流れが強まっているためです。
1週間で 19件の相談 がありました
- 10月1日電気設備工事会社島根県人材確保の相談
- 10月1日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 10月1日総合土木岩手県人材確保の相談
- 9月30日外構工事会社鳥取県人材育成の相談
- 9月30日解体工事会社埼玉県協力会社探しの相談
- 9月29日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 9月29日総合土木宮城県業務効率化システムの相談
- 9月29日解体工事会社栃木県利益率向上の相談
- 9月29日設備保全会社愛知県人材育成の相談
- 9月28日工務店千葉県業務効率化システムの相談
- 9月28日総合建築愛知県利益率向上の相談
- 9月28日防水工事会社東京都協力会社探しの相談
- 9月28日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日空調設備工事会社東京都案件獲得の相談
- 9月26日配管工事会社静岡県高卒採用の相談
- 9月26日空調設備工事会社徳島県案件獲得の相談
- 9月26日塗装工事会社和歌山県案件獲得の相談
- 9月25日工務店長崎県業務効率化システムの相談
- 9月25日内装工事会社茨城県人材育成の相談
- 9月24日リフォーム会社愛知県利益率向上の相談
- 9月24日リフォーム会社和歌山県高卒採用の相談
- 9月24日総合建築埼玉県業務効率化システムの相談
- 9月23日防水工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月23日ビルメンテナンス神奈川県高卒採用の相談
- 9月23日電気設備工事会社福岡県高卒採用の相談
- 9月22日プラント工事会社愛知県案件獲得の相談
- 9月22日空調設備工事会社大阪府人材育成の相談
- 9月21日電気設備工事会社沖縄県人材育成の相談
- 9月21日リフォーム会社三重県人材確保の相談
- 9月21日電気設備工事会社神奈川県業務効率化システムの相談
TEC-FORCE予備隊員とは何か
TEC-FORCEは、国土交通省の緊急災害対策派遣隊です。災害時に被災地へ入り、被害状況調査、被害拡大防止、早期復旧など、地方公共団体への支援を行います。
今回登録されたTEC-FORCE予備隊員は、今後、災害派遣に必要な研修を受講し、災害発生時には必要に応じて被災地等で活動する予定です。
報道発表では、令和7年度の予備隊員が、令和8年熊本地震や令和8年8月千葉豪雨などで活動した実績も示されています。具体的には、道路や港湾の被災状況調査、給水活動、復旧に向けた技術的助言などです。
建設業に近い分野では、地方整備局等の予備隊員が、河川、砂防、道路、港湾などの公共土木施設の被害状況調査や、災害応急対策に必要な技術的助言に関わります。現場を見て、被害を判断し、復旧方針の検討につなげる力が、災害時の公的支援の中で求められているということです。
中小建設会社にとっての意味
今回の発表から読み取れる大きな流れは、災害対応が「行政だけの仕事」ではなく、民間の専門人材も含めた社会全体の体制づくりになっているという点です。
地域の建設会社は、平時には道路、河川、上下水道、港湾、建築物、法面、橋梁などの工事や維持管理に関わっています。災害時には、その知識が被害把握や応急復旧に直結します。
もちろん、すべての会社がTEC-FORCE予備隊員制度に直接関わるわけではありません。今回の発表も、令和8年度の募集・選考結果として登録された人数を示すものです。
ただし、経営者としては、次のように捉えておく価値があります。
- 自社の技術者の経験は、災害時の地域支援に活かされる可能性がある
- 公共インフラの復旧には、調査・判断・記録・報告の力がますます重要になる
- 災害対応に協力できる会社は、地域からの信頼を蓄積しやすい
- 平時からの安全管理、BCP、連絡体制、人員配置の整備が、非常時の対応力を左右する
災害復旧は、単に「重機を出す」「人を出す」だけではありません。被害を見極め、関係者と調整し、記録を残し、次の復旧判断につなげることが重要になります。ここに、地域建設業の実務力が生きます。
見ておきたいのは「人材の外部活用」が進んでいること
今回、登録人数は全国で499名となり、昨年度比で157名増えました。人数の増加そのもの以上に重要なのは、災害対応に必要な専門人材を、あらかじめ登録し、研修し、必要時に派遣する仕組みが拡充されていることです。
これは、建設業界全体にとっても示唆があります。
今後、災害対応、維持管理、インフラ老朽化対応といった領域では、行政内部だけで完結しにくい業務が増えていく可能性があります。そのとき、民間側に求められるのは、単なる施工力だけではありません。
調査できる人材、説明できる人材、記録できる人材、関係者と調整できる人材です。
中小建設会社にとっては、現場代理人や主任技術者、土木施工管理技士などの技術者が、どのような災害対応経験を持っているかを整理しておくことも意味があります。資格だけでなく、過去の災害復旧工事、応急対応、自治体との協議、写真管理、報告書作成などの経験が、会社の力として見える化されます。
自社で確認しておきたいこと
今回のニュースを受けて、すぐに大きな制度対応が必要という話ではありません。しかし、地域建設会社としては、次の点を確認しておくとよいです。
1つ目は、災害時の連絡体制です。自治体、元請、協力会社、社員との連絡ルートが整理されているか。休日・夜間でも最低限の初動判断ができるか。これはBCPの基本です。
2つ目は、技術者の経験の棚卸しです。災害復旧、維持修繕、道路・河川・砂防・港湾等の調査、応急対応の経験が社内にどれだけあるかを把握しておくことです。
3つ目は、記録と報告の力です。被災状況の写真、位置情報、数量、損傷状況、応急対応の内容を整理できる体制は、災害時だけでなく通常工事の品質管理にも効きます。
4つ目は、社員を外部活動に送り出す場合の社内整理です。TEC-FORCE予備隊員は、災害時に必要に応じて非常勤の国家公務員として採用され活動する制度です。企業等に勤務している場合は、業務繁忙等の事情も踏まえて派遣が調整されるとされています。将来的に社員がこうした制度に関わる可能性がある会社では、本人の希望、会社業務との調整、安全面、社内規程などを考えておく必要があります。
「地域を守る会社」としての信用が問われる時代へ
建設業は、地域のインフラをつくる産業であると同時に、災害時に地域を支える産業でもあります。
今回のTEC-FORCE予備隊員の登録拡大は、その役割がより明確になってきていることを示しています。災害時に動ける会社、技術的に説明できる会社、行政や地域と連携できる会社の価値は、今後さらに高まると考えられます。
中小建設会社にとって大切なのは、特別な大企業のような体制を一気につくることではありません。まずは、自社がどの地域で、どのインフラに関わり、どの技術者がどの経験を持っているのかを整理することです。
その積み重ねが、公共工事、災害協定、地域からの信頼、人材育成にもつながります。
災害対応力は、非常時だけの備えではなく、平時の会社の信用を形づくる経営資産になっていきます。
自社の災害対応力を整理するきっかけに
今回の発表を、自社の災害対応や技術者育成を見直すきっかけにしてもよいかもしれません。
「うちの会社は災害時に何ができるのか」「社員の経験をどう整理すればよいのか」「BCPや連絡体制をどこから整えればよいのか」。こうした問いは、日々の業務に追われていると後回しになりがちです。
ネクスゲートは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、現場、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して、経営課題の整理と実行を支援しています。災害対応体制や人材の棚卸しについても、「まず何から整理すべきか」という段階から一緒に考えることができます。
無理な営業はいたしませんので、今回のニュースを踏まえて自社への影響を整理したい場合は、必要な範囲でご相談ください。