前提

サブコンとの取引が増える一方、紙・電話・Excelによる管理が残る東海地方の専門工事会社

東海地方のある専門工事会社では、サブコンとの取引が徐々に増え、社内でもDXの必要性を感じていました。しかし、日々の現場対応に追われ、具体的な取り組みは進んでいませんでした。

「全体でDXを目指さないといけないとは思っています。でも、日々の業務で手いっぱいになり、なかなか進まないんです」

社内にはデジタル活用に強い役員もいます。ただ、現在の管理方法と新しい仕組みがうまくかみ合わず、経営者自身もExcelを中心とした管理から抜け出せていません。

市販の建設業向けアプリを検討したこともありました。説明を聞けば便利に見えますが、住宅工事には合っても、店舗などを扱う自社の管理には使いにくい。必要な機能を補うために複数のシステムを組み合わせると、今度は連携や操作が複雑になります。

DXが進まないのは、デジタルへの理解が足りないからではありません。自社のどの業務を、何のために変えるのかが整理されないまま、ツール選びから始めてしまうことが大きな原因です。

1週間で 22件の相談 がありました

  • 9月16日総合建築千葉県業務効率化システムの相談
  • 9月16日空調設備工事会社岐阜県案件獲得の相談
  • 9月16日総合建築埼玉県利益率向上の相談
  • 9月15日防水工事会社愛知県人材確保の相談
  • 9月15日総合土木福岡県業務効率化システムの相談
  • 9月15日空調設備工事会社宮崎県人材育成の相談
  • 9月14日外構工事会社静岡県案件獲得の相談
  • 9月13日外構工事会社沖縄県案件獲得の相談
  • 9月13日配管工事会社神奈川県人材確保の相談
  • 9月13日総合土木大阪府業務効率化システムの相談
  • 9月13日塗装工事会社愛知県協力会社探しの相談
  • 9月12日工務店北海道人材確保の相談
  • 9月12日総合土木神奈川県人材確保の相談
  • 9月12日防水工事会社群馬県協力会社探しの相談
  • 9月12日塗装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 9月11日工務店福岡県案件獲得の相談
  • 9月11日外構工事会社沖縄県業務効率化システムの相談
  • 9月11日解体工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月11日電気設備工事会社三重県案件獲得の相談
  • 9月10日内装工事会社兵庫県人材確保の相談
  • 9月10日外構工事会社神奈川県協力会社探しの相談
  • 9月10日総合建築宮崎県利益率向上の相談
  • 9月9日総合土木兵庫県人材育成の相談
  • 9月9日内装工事会社秋田県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社茨城県業務効率化システムの相談
  • 9月8日工務店秋田県人材確保の相談
  • 9月8日工務店広島県人材確保の相談
  • 9月8日内装工事会社和歌山県高卒採用の相談
  • 9月7日塗装工事会社三重県利益率向上の相談
  • 9月7日総合建築長崎県案件獲得の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

出面確認から資材発注、現場別粗利までを一度に変えようとして着手点が決まらない状態

建設会社の業務には、デジタル化できそうな箇所がいくつもあります。

  • 職人や協力会社の出面確認
  • 出勤・退勤の打刻と勤怠集計
  • 日報や作業進捗の報告
  • 資材不足の連絡と発注状況の共有
  • 駐車場代などの経費申請
  • 職人別、現場別の稼働確認
  • 現場ごとの予算、原価、粗利率の把握

たとえば、別の専門工事会社では、事務員が毎朝電話をかけて「現場にいますか」と確認し、夕方にも「まだ現場にいますか」と聞いていました。自社職人だけでなく、協力会社についても職長を通じて確認します。これを毎日続けるだけでも、かなりの時間がかかります。

資材発注も電話と口頭が中心でした。「ボードが足りない」と伝えたつもりでも、誰が発注するのか、いつ届くのかが残りません。その結果、伝達漏れが起きていました。

一方で、出面、勤怠、日報、経費、在庫、見積もり、原価管理まで一つの仕組みに入れようとすると、画面も運用も複雑になります。在庫管理では、仕入れた資材を誰が登録し、現場で使ったときに誰が減らすのかまで決めなければ、データと実在庫がずれていきます。

機能を増やすほどDXが進むわけではありません。入力する人と使う場面が曖昧な機能は、現場に定着せず、管理作業を増やす可能性があります。

背景

市販アプリの機能と自社独自の人数集計や現場管理が一致しない難しさ

専門工事会社ごとに、管理したい単位は異なります。

協力会社の稼働を「1人工・0.5人工」で把握したい会社もあれば、請負金額や出来高で管理したい会社もあります。職長が元請けへの報告や請求まで担当する会社では、現場ごとの出面や作業履歴を職長も確認できなければなりません。

必要な画面も役職によって変わります。

  • 職人は出勤・退勤、日報、担当現場のカレンダーだけを見る
  • 職長は資材搬入や発注状況まで確認する
  • 事務員は全現場の出面、経費申請、請求用データを扱う
  • 役員や社長は現場別の原価や粗利率まで見る

全員に同じ画面を見せると、職人にとっては操作項目が多すぎます。反対に、経営側に必要な原価・粗利情報まで誰でも見られる状態にするのも適切ではありません。

情報セキュリティも外せない論点です。社内情報をどこに保存するのか、外部からどのようにアクセスするのか、利用する環境に十分な対策があるのかを確認する必要があります。安価で簡単に使える仕組みでも、現場情報や社員情報が外部に漏れる設計では運用できません。

位置情報を勤怠に使う場合も同様です。打刻場所を残せても、電波状況によって位置がずれることがあります。細かな位置まで把握する必要があるのか、プライバシーへの配慮をどうするのかも、会社ごとに判断が分かれます。

自社に合うDXとは、機能が豊富な仕組みではなく、自社の集計方法、役割分担、閲覧範囲に合わせて無理なく使える仕組みです。

解決

最も時間を使う業務と伝達漏れが起きる業務から小さく仕組み化する進め方

最初に行いたいのは、アプリの比較ではなく、現在の業務の棚卸しです。紙、電話、ホワイトボード、Excelで行っている業務を並べ、次の項目を確認します。

  1. 誰が入力・確認しているか
  2. いつ、何回行っているか
  3. どれくらい時間がかかっているか
  4. 伝達漏れや二重入力が起きているか
  5. その情報を誰が次の業務で使うか

着手の優先順位は、「最も時間を使っている業務」と「伝達漏れによる手戻りが起きている業務」を軸に決めると整理しやすくなります。

毎朝夕の電話確認に時間がかかっているなら、出面と勤怠から始めます。資材不足の連絡が口頭で抜けるなら、日報の送信時に資材発注の依頼も残せるようにします。現場が動いているのに利益状況が見えないなら、予算と使用原価を入力し、現場別の粗利率を確認できるようにします。

ただし、初めからすべてを一つにまとめる必要はありません。優先業務を一つ選び、まずは必要最小限の画面を作ります。職人が使うなら、出勤、退勤、日報送信など、現場で迷わず押せる項目に絞ります。

進め方は次の順番が現実的です。

  • 現在の紙・電話・Excel業務を書き出す
  • 時間と伝達漏れの大きさで優先順位を付ける
  • 利用者ごとに必要な操作と閲覧情報を分ける
  • 小さな画面や試作で実際の操作を確認する
  • 不要な機能を外し、必要な機能だけを残す
  • 保存先、アクセス方法、閲覧権限を決める
  • 導入後に誰が修正や保守を担うかを決める

試作を見ながら、「この項目は本当に使うか」「入力する人が決まっているか」を職人、職長、事務、経営側で確認すると、導入後の食い違いを減らせます。

作ったものの誰も使わない状態が、DXでは最も避けたい失敗です。導入前に現場の操作性を確かめ、導入後の入力担当と管理担当まで決めておくことが欠かせません。

まとめ

建設会社のDXは、紙をなくすことや多機能なアプリを導入すること自体が目的ではありません。手作業や確認連絡を減らし、現場と事務、経営側が必要な情報を必要な範囲で共有できる状態をつくることが目的です。

市販ツールが自社に合わない場合も、すぐに大規模な独自開発へ進む必要はありません。まずは出面、勤怠、日報、資材発注、経費申請、現場別原価といった業務を棚卸しします。そのうえで、時間と伝達漏れの大きい業務から順番に変えていきます。

DXの最初の一歩はツール選びではなく、「誰の、どの作業を、どれだけ減らしたいのか」を決めることです。

自社に合う業務整理からデジタル活用を考えるために

「紙や電話を減らしたいが、どこから変えるべきかわからない」「市販アプリでは自社の現場管理に合わない」という段階でも、業務の棚卸しから整理できます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。出面管理だけを見直すのか、資材発注や現場別粗利までつなげるのかも、現在の業務負担と優先順位を見ながら検討します。

何をシステム化し、何を今の運用に残すかを整理するところからでも問題ありません。無理に導入を勧めることはありませんので、自社の場合を一緒に整理したいときは気軽にお声がけください。

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