江東区は、区内中小企業の人材確保と若年就業者の定着を目的に、「江東区人材確保及び定着に向けた奨学金返還支援事業補助金」を実施しています。建設業を含む対象業種の事業所に正社員として就業する若年者について、奨学金返還額の一部が補助される制度です。

項目

内容

制度名

江東区人材確保及び定着に向けた奨学金返還支援事業補助金

実施機関

江東区

対象となる事業所

江東区内に所在する中小企業者の事業所。建設業、製造業、運輸業、情報通信業のうち情報サービス業・インターネット附随サービス業が対象

対象となる就業者

江東区内に住所を有し、区内の対象事業所で正社員として就業する方など

年齢要件

事前申請年度の3月31日時点で40歳以下。補助対象期間は40歳未満である期間が対象

補助額

前年度に補助対象期間中に返還した奨学金・利子の合計額の2分の1。ただし年間上限10万円

補助対象期間

要件を満たす期間について、最初の月から最大60か月、5年間が限度

事前申請期限

原則、入社日以降3か月以内

令和8年度の特例

2026年4月1日から2026年12月31日入社の方は、一定の場合を除き、2027年3月31日まで事前申請可能

申請方法

オンライン、郵送または持参。請求書提出は郵送または持参

建設企業がまず確認すべき対象条件

この制度は、会社に直接補助金が入る制度ではなく、奨学金を返還している若年就業者本人が補助対象者となる制度です。ただし、対象となるには就業先の事業所にも条件があります。建設企業側の準備不足で、従業員が申請できなくなる可能性があります。

特に確認すべき点は、次のとおりです。

  • 会社が中小企業基本法に定める中小企業者に該当すること
  • 法人企業であること。個人事業主は対象外です
  • 事業内容が日本標準産業分類の大分類で建設業に該当すること
  • 対象となる就業場所が江東区内にあること
  • 補助対象者の事前申請日以前に、就業先事業所が江東しごとサポートセンターの利用登録を済ませていること

本社が江東区外であっても、本人が江東区内の事業所で就業していれば、他の条件を満たすことで対象になり得ます。一方で、江東区に本社があっても、本人の就業場所が江東区外の場合は対象外とされています。

1週間で 17件の相談 がありました

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対象となる従業員の要件

従業員側にも複数の要件があります。会社としては、採用時や入社後の案内で、本人が次の条件を満たすかを確認しておく必要があります。

主な要件は次のとおりです。

  • 事前申請時点で、就業開始日から3か月以内であること
  • 事前申請年度の3月31日時点で40歳以下であること
  • 江東区内に住所を有していること
  • 江東区内の対象事業所で正社員として就業していること
  • 本人名義で対象奨学金の貸付けを受け、本人が返還予定または返還中であること
  • 国、都、公社等による同種の補助金を受けていないこと
  • 奨学金返還や住民税を滞納していないこと

公募要領では、2026年4月1日以降に入社した方が対象とされています。契約社員、パート、アルバイトは、フルタイム勤務や期間の定めがない場合でも対象外とされています。

補助額と補助対象期間の考え方

補助額は、交付申請をする前年度に、補助対象期間中に返還した奨学金と利子の合計額に2分の1を乗じた額です。ただし、年間上限は10万円です。1,000円未満の端数は切り捨てられます。

補助対象期間は、次の4つがすべて重なる期間です。

  1. 江東区内に住所を有する期間
  2. 対象事業所で正社員として就業している期間
  3. 奨学金を返還している期間
  4. 年齢が40歳未満である期間

この重複期間を1か月単位で算出します。1か月に満たない期間は補助対象外です。補助対象期間は、重複期間の最初の月を1月目として、最大60か月、5年間が限度です。

申請の流れと会社側の実務ポイント

手続きは、まず従業員本人が事前申請を行い、認定を受ける流れです。その後、翌年度以降に現況報告と交付申請を行います。

主な流れは次のとおりです。

  1. 従業員本人が事前申請を行う
  2. 江東区から認定または申請却下通知が郵送される
  3. 翌年度以降、毎年7月1日から9月30日までに現況報告・交付申請を行う
  4. 交付決定後、請求書を提出する
  5. 請求書受領後、おおむね1か月後に指定口座へ入金される

会社側で特に重要なのは、従業員の事前申請日より前に、江東しごとサポートセンターの利用登録を完了しておくことです。また、事前申請では、正社員として就業していることが確認できる書類の写しや、就業先の履歴事項全部証明書の写しなどが必要になります。

翌年度以降の交付申請では、在職証明書が必要です。制度を採用・定着施策として案内する場合は、入社時だけでなく、翌年度以降の現況報告時期まで管理しておくことが実務上重要です。

採用・定着施策として確認しておきたいこと

この補助金は、会社の賃金制度そのものを補助するものではありません。しかし、奨学金返還中の若手正社員にとっては、経済的負担の軽減につながります。建設企業にとっては、若手人材の採用時説明や定着支援の一部として、制度の対象になるかを確認しておく価値があります。

まずは、次の順番で確認してください。

  • 江東区内の事業所が対象業種・中小企業要件を満たすか
  • 江東しごとサポートセンターの利用登録が済んでいるか
  • 2026年4月1日以降に入社した若手正社員がいるか
  • その従業員が江東区内在住か
  • 本人名義の対象奨学金を本人が返還しているか
  • 入社日から3か月以内、または令和8年度特例の期限内に事前申請できるか

制度の対象可否は、従業員本人の住所、年齢、奨学金の状況、入社日によって変わります。採用担当、総務、経理が連携し、入社時点で案内できる体制を整えておくことが重要です。

自社で案内できる制度かを整理する

この制度を活用するには、会社側の事業所要件と、従業員本人の要件を分けて確認する必要があります。特に、江東しごとサポートセンターの利用登録や、在職証明書の発行など、会社側で対応すべき事項を早めに整理しておくと、従業員本人の申請が進めやすくなります。

自社の採用・定着施策として制度を案内できるか、対象となりそうな従業員がいるかを確認したい場合は、要件整理から進めるのが現実的です。無理な営業はいたしませんので、必要な範囲で状況を整理したい方は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。