公益財団法人富山県新世紀産業機構は、令和8年度「中小企業成長応援ファンド事業(小規模事業者事業再建支援事業)」を公表しました。令和6年能登半島地震で被害を受けた富山県内の小規模事業者に対し、国の「小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)」に上乗せして助成する制度です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度 中小企業成長応援ファンド事業(小規模事業者事業再建支援事業) |
対象 | 富山県内に事業所を有する小規模事業者 |
主な要件 | 令和6年能登半島地震で直接被害を受けていること、国の「小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)第19回公募」の採択を受けていること |
助成額 | 国補助金の補助対象経費×2/3から国補助額を差し引いた額 |
上限額 | 50万円 |
申請期限 | 2026年9月30日(水)、郵送は締切日当日消印有効 |
申請方法 | 必要書類を富山県商工労働部地域産業振興室 経営支援課へ郵送 |
実績報告 | 国の額確定通知後から2027年12月24日(金)まで。国の確定通知書の日付の翌日から30日以内を目安に提出 |
建設企業がまず確認すべき対象条件
この制度は、単独で使う補助金ではありません。前提になるのは、国の「小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)第19回公募」です。
確認すべき点は大きく3つです。
1つ目は、富山県内に事業所を有する小規模事業者であることです。自社の従業員規模が小規模事業者の範囲に入るか、まず確認が必要です。
2つ目は、令和6年能登半島地震で直接被害を受けていることです。申請時には、市町村が発行する罹災証明書・被災届出証明書等の写しが必要です。建物、設備、事業所などの被害を証明できる公的書類を準備できるかが実務上の入口になります。
3つ目は、国の持続化補助金について、一般型・通常枠の第19回公募で採択を受けていることです。申請書類には、国補助金の申請時に添付した計画書類や、国補助金事務局から送付された採択通知書が必要です。
なお、国の「小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)」の交付決定を受けた事業者は対象外です。また、令和8年度に中小企業成長応援ファンド事業へ申請している場合や、令和7年度にとやま中小企業チャレンジファンド事業に採択され現在も事業を継続中の場合も、対象外となる場合があります。
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助成額の考え方
助成額は、次の式で計算されます。
助成額 = 国補助金の補助対象経費 × 2/3 - 国補助額
上限は50万円です。千円未満は切り捨てとなります。また、計算結果が千円未満となる場合は助成対象になりません。
公募要領では、補助対象経費が200万円の場合、計算上は国補助額を差し引いた後の額が50万円を超えるため、上限額の50万円になる例が示されています。一方、補助対象経費が75万円の場合は、上乗せ助成が発生しない例も示されています。
つまり、この制度では「採択されたから一律50万円」ではありません。国補助金で認められた補助対象経費と国補助額をもとに、自社の上乗せ額を計算する必要があります。
申請時に準備する書類
申請には、次の書類が必要です。
- 中小企業成長応援ファンド事業(小規模事業者事業再建支援事業)申請書(様式第1号-2)
- 市町村が発行する、事業所等が罹災されたことが分かる公的書類の写し
- 国補助金の申請時に添付した「経営計画兼補助事業計画(国様式2)」
- 国補助金の申請時に添付した「補助事業計画(国様式3)」
- 国補助金事務局から送付された「採択通知書」
申請書の誓約事項は、法人の場合は代表者、個人事業主の場合は本人が自筆で署名する必要があります。書類不備があると確認対応が発生するため、郵送前に控えを取り、提出書類を一覧で照合しておくことが重要です。
申請後の流れと注意点
申請書類は富山県へ提出します。書類確認のうえ採択となる場合は、公益財団法人富山県新世紀産業機構から交付決定通知が送付されます。
助成金の支払いは、国補助金事業の完了後です。実績報告書と必要書類の提出を受け、検査を実施した後に支払われます。実績報告期間は、国の額確定通知後から2027年12月24日(金)までです。公募要領では、国の確定通知書の日付の翌日を起算日として、30日以内を目安に提出することとされています。
また、令和8年度内に県上乗せ助成分の入金を希望する場合は、2027年2月26日(金)までに実績報告書類一式を提出する必要があります。
建設企業では、工事・設備・車両・工具・事務所復旧など、事業再建に関する支出の証憑管理が実務上の要点になります。ただし、対象となる経費は国補助金の補助対象経費に基づきます。県の上乗せ助成だけを見て支出を増やすのではなく、国補助金で認められる経費かどうかを先に確認してください。
次に取るべき対応
対象になり得る企業は、まず次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 令和6年能登半島地震による直接被害を証明する公的書類があるか
- 国の「小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)第19回公募」の採択通知書があるか
- 国補助金に提出した計画書類を手元にそろえられるか
- 国補助金の補助対象経費と国補助額から、上乗せ助成額を試算できるか
- 2026年9月30日(水)までに郵送提出できるか
特に、申請期限は郵送の締切日当日消印有効です。配達履歴が残る簡易書留やレターパック等の利用が推奨されています。提出後の確認対応に備え、送付書類の控えと発送記録は必ず残しておきましょう。
自社の上乗せ助成額と書類状況を確認する
この制度は、国補助金の採択内容と被災証明書類がそろっている企業にとって、事業再建費用の自己負担を抑える手段になります。一方で、対象外要件や助成額の計算、実績報告まで含めて確認しないと、想定した金額を受け取れない可能性があります。
自社が対象になるか、どの書類を優先して確認すべきか、国補助金の計画と県上乗せ助成をどう整理すべきかを確認したい場合は、必要資料を手元に置いたうえで早めに整理することをおすすめします。無理な営業はいたしませんので、制度活用の可能性確認として自然にご相談ください。