札幌市は、製造業の工場等における省エネルギー設備導入を支援する「製造業省エネルギー設備導入補助金」の公募予定を公表しました。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 製造業省エネルギー設備導入補助金 |
実施機関 | 札幌市 |
対象 | 製造業を営む、札幌市内に本社および製造拠点を有する中小企業者等。みなし大企業は除外。共同受電設備を有する事業協同組合も対象 |
補助対象事業 | 札幌市内の製造拠点に導入する、省エネルギーを目的とした設備導入 |
補助上限額 | 企業向け:500万円。共同受電設備を有する事業協同組合向け:3,000万円 |
補助率 | 企業向け:4分の3。共同受電設備を有する事業協同組合向け:5分の4 |
補助対象経費 | 設備費、設計費、工事費 |
公募期間 | 2026年7月6日(月)から2026年9月30日(水)17時必着まで |
注意点 | 先着順で審査。交付決定額の合計が予算額に達した時点で公募終了 |
実施期間 | 交付決定日から2027年1月5日(火)まで。発注・納品・支払まで完了が必要 |
建設企業がまず確認すべきポイント
この補助金は、名前のとおり製造業向けです。
建設業の会社が確認すべき最初のポイントは、会社の一部または主たる事業が、制度上の「製造業」に該当するかどうかです。
公募要領では、「製造業を営む」とは、日本標準産業分類における製造業(大分類番号E)を営むこととされています。さらに、次の要件が示されています。
- 新製品の製造加工を行う事業者であること
- 製造加工した新製品を卸売する事業者であること
- 新製品には部品等も含むこと
- 単なる事務所や営業所は、製造拠点には該当しないこと
現場施工を中心とする建設会社の場合、この条件を満たさない可能性があります。
一方で、自社の事業内容の中に製造加工と卸売があり、札幌市内に本社と実際の製造拠点がある場合は、対象要件を丁寧に確認する価値があります。
「うちは建設業だから関係ない」と早合点する前に、登記上の本店、実際の製造拠点、売上の中身、製造加工した製品の販売形態を確認してください。
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対象設備は「省エネ効果」が数字で求められます
企業向けの補助対象設備は、大きく2つのパターンに分かれます。
パターン | 対象設備 | 主な要件 |
|---|---|---|
A | 発電関連設備を除く設備の更新 | 更新前後の設備を比較し、エネルギー消費量を年率10%以上低減する見込みがあること。変圧器は年間損失電力量が10%以上低減する見込みがあること |
B | 発電関連設備の更新・新規導入 | 自家消費を目的とし、施設等のエネルギー消費量を年率5%以上低減する見込みがあること |
パターンAの設備例には、照明設備、冷凍冷蔵設備、高効率空調、変圧器、生産設備などが挙げられています。照明設備はLEDに限られます。
パターンBの設備例には、高効率コージェネレーションシステム、太陽光発電システムなどが挙げられています。
ここで大事なのは、単に「新しい設備に替える」だけでは足りないことです。
申請では、年間エネルギー消費量の低減率を示す必要があります。カタログ、メーカー資料、納入業者の証明書など、数字の根拠をそろえる準備が必要です。
対象外になりやすい設備・経費にも注意
公募要領では、対象外となる設備や経費も明示されています。
企業向けでは、たとえば次の設備は補助対象外です。
- 発電関連設備を除く新規導入設備
- 「省力化・自動化」「高性能化」を主目的とするもの
- 中古品、リース品
- 自動車、二輪車、フォークリフト等の車両
- パソコン、プリンター、複合機、FAX機器、スマートフォン、電話等の事務関連設備
- 主に福利厚生等を目的とする冷蔵庫、電子レンジ、空気清浄機、加湿器など
また、補助対象経費は設備費、設計費、工事費ですが、次のような経費は対象外です。
- 建屋等の建築物・外構等の工事費
- 既存設備やシステムの解体・撤去・処分・移設に係る経費
- 消費税および地方消費税相当分
- 振込手数料
設備更新の見積を取るときは、補助対象経費と対象外経費を分けて見える形にしておくことが重要です。
申請前にやるべきこと
公募は2026年7月6日開始予定です。
ただし、先着順で審査されます。予算額に達した時点で公募終了です。
動くなら、申請開始を待つだけでは少し遅いかもしれません。
確認したい順番は、次のとおりです。
- 自社が制度上の製造業に該当するか確認する
- 札幌市内に本社と製造拠点があるか確認する
- 導入予定設備が省エネ目的か確認する
- 更新前後のエネルギー消費量を比較できる資料を集める
- 見積書を2者以上から取得する
- 交付決定前に発注しないよう、社内と取引先に共有する
- 2027年1月5日までに、発注・納品・支払まで完了できる工程か確認する
企業向けは、WEB上のスマート申請フォームから申請する形です。原本の郵送は不要とされています。
共同受電設備を有する事業協同組合向けは、申請前に事務局へ問い合わせたうえで、提出方法の案内を受ける流れです。
資金繰りにも目を向けてください
この補助金は精算払いです。
つまり、原則として先に設備投資の支払いが発生します。補助金は、実績報告後に審査を経て支払われます。
補助率が高い制度ではありますが、手元資金や借入枠の確認は欠かせません。
特に、設備費、設計費、工事費が大きくなる場合は、補助金の入金時期までの資金繰りを見ておく必要があります。
「補助金が出るから大丈夫」ではなく、交付決定、発注、納品、支払、実績報告、補助金入金までの流れを、社内で一枚の工程表にしておくと安心です。
自社が使える制度か、早めに整理しておきましょう
この制度は、札幌市内で製造業を営む事業者にとって、省エネ投資の負担を抑える選択肢になり得ます。
一方で、建設会社の場合は、まず製造業としての対象要件を満たすかが分かれ目です。
「対象になりそうだが判断に迷う」「設備更新の見積と省エネ効果の整理が追いつかない」。そんな段階でも、早めに論点を分けておくと動きやすくなります。
制度活用の可能性や、資金繰り・設備投資計画の整理について確認したい場合は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。無理な営業はいたしませんので、状況の整理から気軽にご相談いただけます。