佐賀県産業イノベーションセンターは、令和8年度さが「きらめく」ものづくり産業創生応援事業 特許等出願補助金(二次募集) を公表しました。県内のものづくり中小企業者が、自ら考案した新技術を特許権または実用新案権として保護し、事業拡大に活用するための出願経費を支援する制度です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度さが「きらめく」ものづくり産業創生応援事業 特許等出願補助金(二次募集) |
実施機関 | 公益財団法人佐賀県産業振興機構 佐賀県産業イノベーションセンター |
対象 | 佐賀県内に補助事業を行うことができる工場等の事業所を有する、ものづくり中小企業者等 |
対象事業 | 自ら発明・考案した新技術等を保護し、事業拡大に活用するために行う特許権または実用新案権の取得に向けた取組み |
補助率 | 補助対象経費の3分の2以内 |
補助限度額 | 上限30万円 |
補助対象経費 | 特許出願料、出願審査請求料、実用新案登録出願料、代理人費用など |
応募期間 | 2026年7月1日〜2026年9月30日 17時必着 |
補助期間 | 交付決定日から2027年1月29日まで |
申請方法 | 交付申請書と添付書類を、持参または送付で提出。電子メール申請は不可 |
建設企業がまず確認すべき対象要件
この補助金は、名称のとおりものづくり事業者向けです。建設企業の場合、通常の建築・土木工事を行っているだけで対象になるとは限りません。
募集要領では、ものづくりについて、総務省日本標準産業分類の大分類E 製造業に該当する業務、または新たな製品を製造して自社製品として販売する業務、OEM委託生産等により自社製品を販売する業務などを示しています。
一方で、対象外となる業務も明記されています。特に建設企業が注意すべき点は、「土地に定着する工作物を建築する業務」は対象から除外されていることです。
そのため、自社が確認すべき順番は次のとおりです。
- 申請する事業が、建築工事そのものではなく、ものづくり事業に該当するか
- 佐賀県内に補助事業を行える工場等の事業所があるか
- 中小企業者の要件を満たすか
- 2期以上の決算を経ており、直近期の確定申告書一式を提出できるか
- 開業予定者や、これから製造業を始める予定の段階ではないか
- 同一事業者からの申請が1件のみであるか
なお、交付要領では補助対象者について「佐賀県内に本店を有するものづくり事業者」との記載もあります。実際に申請を検討する場合は、所在地要件をセンターへ確認しておく必要があります。
1週間で 17件の相談 がありました
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補助対象となる取組み
対象となるのは、ものづくり事業者が考案した新技術を、自ら保護し、事業拡大に活用するために行う特許権または実用新案権の取得に向けた取組みです。
重要なのは、単に特許権等を取得するだけでは足りない点です。募集要領では、特許権等取得後の具体的な計画を有することが必要であり、単なる特許権等の取得のみを目的とした応募はできないとされています。
申請書でも、出願する知的財産権の内容や特徴、出願の動機、先行・類似技術調査の状況、知的財産権を活用した事業展開、市場性、販売方法、見込まれる事業効果などを記載する形式になっています。
補助対象経費と注意点
補助対象経費は、主に次の経費です。
- 特許出願料
- 出願審査請求料
- 実用新案登録出願料
- 代理人費用
- その他、所長が必要と認める経費
代理人費用には、弁理士または特許業務法人に依頼した場合の費用が含まれます。また、交付申請前に実施する先行・類似技術等の調査費用も、補助対象経費に含めることが可能です。
ただし、交付決定前に出願準備や特許等出願手続きを行った場合は補助対象外です。先行・類似技術等調査は事前実施が認められていますが、出願手続きそのものを先に進めないよう注意が必要です。
また、振込手数料、通信運搬費、公租公課費は補助対象外とされています。
審査で見られるポイント
採択は、佐賀県産業イノベーションセンターが設置する審査会で行われます。必要に応じて、申請者に説明等を求める場合があります。
募集要領に示された評価項目は、次のとおりです。
- 特許等取得の必要性
- 新規性・独創性
- 計画の実現可能性
- 補助費の妥当性
- 知的財産の市場性
- 知的財産の将来性
- 事業実施の妥当性
建設企業にとっては、技術そのものの説明だけでなく、その権利を取得した後にどう事業へ展開するのかを説明できるかが重要です。出願予定の技術が自社の事業拡大にどう結び付くのか、申請前に整理しておく必要があります。
また、申請時点で「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトに登録・公開されているものづくり事業者は、加点対象とされています。
申請前に準備する書類
応募には、交付申請書のほか、添付書類が必要です。募集要領では、主に次の書類が示されています。
- 県税について未納がない旨の納税証明書
- 法人登記の履歴事項全部証明書、または個人事業の確認書類
- 直近2期分の決算書または確定申告書の写し
- 補助事業に要する経費の見積書
- 申請者の事業概要が分かる資料
- 職務発明の場合、権利承継を示す書類
- パートナーシップ構築宣言をした場合は、その写し
申請書類は各1部、A4版、片面印刷とされています。電子メールによる申請は受け付けられません。送付の場合は、レターパック、簡易書留、宅配便など、記録が残る方法で提出する必要があります。
スケジュール上の注意点
応募期限は2026年9月30日17時必着です。ただし、毎月末までの申請分で随時審査が行われ、採択状況によっては応募期間が短縮される可能性があります。
また、補助金は精算払いです。募集要領では、補助事業者がいったん全額を資金調達し、経費の支払いを済ませる必要があるとされています。
補助事業は、募集要領上、2027年1月29日までに完了する必要があります。実績報告書の提出期限にも関係するため、出願手続き、代理人への支払い、証拠書類の整理まで含めて、余裕を持った工程管理が必要です。
申請に向けて整理しておきたいこと
この補助金は、出願費用の一部を支援する制度ですが、審査では技術の内容だけでなく、事業化の計画も確認されます。
申請を検討する企業は、少なくとも次の点を社内で整理しておくべきです。
- 出願したい技術が、既存技術とどう違うのか
- 先行・類似技術調査をどこまで実施しているか
- 特許権または実用新案権を取得した後、どのように事業へ活用するか
- 補助対象経費の見積りが妥当か
- 交付決定前に進めてはいけない手続きがないか
- 自社の事業が「ものづくり」要件に該当するか
特に建設企業は、申請対象の技術が建設工事そのものではなく、制度上のものづくり事業に該当するかを最初に確認してください。ここが曖昧なまま申請準備を進めると、書類作成に時間をかけても対象外となる可能性があります。
自社技術を権利化する前に確認すること
特許等の出願は、費用だけでなく、事業計画、権利の持ち方、出願後の活用方針まで整理して進める必要があります。補助金の対象になるかどうかは、制度要件と自社の事業実態を照らし合わせて判断することが重要です。
自社の技術が対象になりそうか、申請前に何を整理すべきかを確認したい場合は、制度資料をもとに一緒に論点を整理できます。無理な営業はいたしませんので、必要な範囲でご相談ください。 お問い合わせはこちら