公益財団法人岡山県産業振興財団は、令和8年度「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」の第2回募集を公表しました。
岡山県内の中小企業者等が、海外での特許、実用新案、意匠、商標の出願に取り組む際の費用を補助する制度です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 令和8年度 中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)第2回募集 |
実施機関 | 公益財団法人岡山県産業振興財団 |
対象 | 岡山県内に事業所を置く中小企業者等、個人事業主、中小企業者で構成されるグループ等 |
募集期間 | 2026年8月17日(月)~2026年9月4日(金)17時まで 必着 |
補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
1企業あたり上限 | 1会計年度内300万円 |
1出願あたり上限 | 特許150万円、実用新案・意匠・商標60万円、抜け駆け対策商標30万円 |
対象出願 | 既に日本国特許庁に出願済みの特許、実用新案、意匠、商標を活用した外国出願等 |
対象経費 | 外国特許庁等への出願手数料、代理人費用、翻訳費用など |
申請方法 | 電子メール、郵送、持参、またはjGrantsによる申請 |
建設企業がまず確認したい対象条件
この補助金は、岡山県内に事業所を置く中小企業者等が対象です。
募集要項では、建設業を含む区分について、資本金3億円以下または従業員数300人以下が中小企業者の定義として示されています。
ただし、申請にはそれだけでは足りません。
特に確認したいのは、次の条件です。
- 岡山県内に事業所があること
- 申請時点で、既に日本国特許庁へ出願済みであること
- 外国を含め、知的財産を戦略的に活用して経営向上を目指す意欲があること
- 国内弁理士等の協力を受けられること
- 補助事業完了後5年間のフォローアップ調査等に協力できること
- 暴力団排除に関する誓約事項に承諾していること
「海外に出したい技術や商標がある」。
そう思っていても、国内出願がまだの場合は、この補助金の対象出願に該当しない可能性があります。
まずは、自社の出願状況を確認してください。
1週間で 22件の相談 がありました
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対象になる外国出願のポイント
対象となるのは、特許、実用新案、意匠、商標の外国出願です。
募集要項では、申請書提出時点で既に日本国特許庁に行っている出願が対象とされています。
また、交付決定前に外国出願した案件は対象外です。
ここは大事です。
「急いで先に海外出願しておこう」と動くと、補助対象から外れる可能性があります。
対象となる出願方法として、募集要項では次の方法が示されています。
- パリ条約等に基づく優先権主張による外国出願
- PCT国際出願に基づく各国国内段階への移行
- ダイレクトPCT国際出願から各国へ移行する方法
- ハーグ協定に基づく意匠の外国出願
- マドリッド協定議定書に基づく商標の外国出願
交付決定後、2026年12月10日までに外国特許庁への出願または指定国への国内移行を完了する必要があります。
さらに、2027年1月29日までに実績報告書を提出できる案件に限られます。
補助対象経費と対象外経費
補助対象経費は、外国出願に直接関係する費用です。
主な対象経費は次のとおりです。
- 外国特許庁等への出願手数料
- 国内代理人費用
- 現地代理人費用
- 振込手数料、送金手数料等
- 出願国の制度上、出願に必要と認められる経費
- 翻訳費用
一方で、対象外経費もあります。
たとえば、先行技術調査に係る費用、補助金申請書作成に係る代理人費用、国内消費税や海外の付加価値税等は対象外とされています。
また、交付決定前に着手した費用も対象外です。
建設企業の管理部門や経理担当者は、弁理士等への発注日、請求書、支払日、送金記録を後から確認できるようにしておく必要があります。
補助額の上限
補助率は、補助対象経費の2分の1以内です。
上限額は2段階で設定されています。
1企業あたりでは、1会計年度内300万円が上限です。
1出願あたりでは、次の上限があります。
出願区分 | 1出願あたり上限 |
|---|---|
特許 | 150万円 |
実用新案・意匠・商標 | 60万円 |
抜け駆け対策商標 | 30万円 |
補助金額は、審査結果や予算の状況により、申請額から減額して交付決定される場合があります。
申請前にそろえたい確認事項
申請書類は、公益財団法人岡山県産業振興財団ホームページ掲載の様式を使います。
発表元では、令和8年度の様式で申請することが案内されています。
申請前に、少なくとも次を確認してください。
- 国内の基礎出願に関する書類があるか
- 外国出願に要する経費の見積書等があるか
- 外国出願に関する資金計画を説明できるか
- 先行技術調査等の結果を用意できるか
- 共同出願の場合、持分割合や費用負担割合を示す契約書があるか
- 弁理士に依頼する場合、協力承諾書を用意できるか
申請方法は、電子メールまたは郵送です。
持参の場合は、平日9時から16時までとされています。
また、jGrantsによる申請も可能です。
ただし、jGrantsの利用にはGビズIDが必要です。ID取得まで2~3週間を要するため、利用する場合は早めの確認が必要です。
審査と加点措置
採択企業は、審査委員会で提出書類をもとに選考されます。
審査では、産業財産権の内容、事業計画、経営実績などが確認されます。
募集要項では、次の加点措置も示されています。
- 直近1年以内または公募期間内に、INPIT岡山県知財総合支援窓口の知財相談等を活用している企業
- 地域未来牽引企業に選定されている企業
- 賃上げを実施する企業
- ワーク・ライフ・バランスを推進する企業
賃上げ加点を希望する場合は、別紙「従業員への賃金引上げ計画の表明書」の提出が必要です。
表明した賃上げが実行されていない場合等は、補助金の交付決定取消しや返還となる可能性があるとされています。
加点を使う場合は、社内で実行可能性を確認してから判断したいところです。
申請期限までに動く順番
募集締切は、2026年9月4日(金)17時必着です。
時間はあまり長くありません。
まず、自社の知財と海外展開の予定を並べてください。
次に、国内出願済みかを確認します。
そのうえで、弁理士等に外国出願の見積りやスケジュールを確認します。
特に重要なのは、交付決定前に外国出願へ着手しないことです。
補助金を使う前提で動く場合は、発注や出願のタイミングを慎重に確認してください。
自社で使えるか、早めに整理しましょう
海外出願は、費用だけでなく、期限管理や書類管理も重くなります。
「国内出願は済んでいるが、海外出願の判断が止まっている」。
「商標や技術を海外で守る必要があるが、補助対象になるか分からない」。
そんな場合は、まず対象条件、出願スケジュール、費用見積りを整理するところから始めると進めやすくなります。
必要であれば、制度の読み解きや活用可能性の確認を一緒に整理できます。無理な営業はいたしませんので、状況確認の入口としてご利用ください。