長崎県は、「ながさき造船サプライチェーン強靭化補助金」の様式集と実施要綱を公表しました。県内中小企業等の設備投資等を支援し、県内造船関連産業の振興を図る制度です。

項目

内容

制度名

ながさき造船サプライチェーン強靭化補助金

実施機関

長崎県

対象者

製造業または機械設計業を営み、1年以上の事業実績を持つ中小企業者。ただし個人事業主は除く

実施場所

長崎県内で補助対象事業を実施すること

対象事業

造船関連産業分野の取組であること

補助率

2分の1以内

補助金額

下限1,500万円、上限3,000万円

主な対象経費

設備投資費、研究開発費、人材育成費、コンサルタント料、展示会・商談会出展費、広告宣伝費など

申請時期

交付申請書を提出できる時期は別に定めるとされています

公表資料

実施要綱、交付申請書、補助事業計画書、誓約書、事前着手届出書、実績報告書など

まず確認すべき対象要件

この補助金は、一般的な建設業向けの制度ではありません。対象者は、実施要綱上、製造業または機械設計業を営む中小企業者とされています。

そのため、建設企業が確認すべき最初のポイントは、自社の事業内容がこの要件に該当するかどうかです。建設業登録の有無ではなく、補助金上の対象業種として、製造業または機械設計業を営んでいると整理できるかを確認する必要があります。

主な補助対象者の要件は、次のとおりです。

  • 製造業または機械設計業を営んでいること
  • 1年以上の事業実績を持つ中小企業者であること
  • 個人事業主ではないこと
  • 長崎県内に主たる事務所を有する、または新たに設置する計画があること
  • 長崎県内で補助対象事業を実施すること
  • 法人税、県税、消費税および地方消費税の滞納がないこと
  • 「100億宣言」を申請する意向があること
  • 「パートナーシップ構築宣言」を作成し、公表していること
  • 「Nぴか」認証企業である、または認証申請を行っていること
  • 所定の事業計画を提出すること

特に重要なのは、造船関連産業分野の取組であることです。設備投資や人材育成であっても、造船関連産業分野との関係が説明できなければ、制度の趣旨に合いません。

1週間で 17件の相談 がありました

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事業計画で求められる発注計画

実施要綱では、交付申請者が提出する事業計画について、次の要件が定められています。

  • 造船関連産業分野の取組であること
  • 補助事業完了後2年間で、補助金額の100%に相当する額以上を県内企業に新たに発注すること
  • その後も同額以上の発注を継続する計画であること

これは、単に自社の設備を更新する補助金ではなく、県内の造船関連サプライチェーン全体を強化する趣旨の制度だと整理できます。

申請を検討する場合は、設備や研究開発の内容だけでなく、県内企業への新たな発注計画をどのように組み立てるかが重要になります。補助金額が大きいほど、求められる県内発注額も大きくなる点に注意が必要です。

対象経費の範囲

対象経費は、実施要綱の別表で整理されています。主な区分は次のとおりです。

設備投資費

建物取得や附帯工事、備品・機械装置・工具・器具等の購入・製作・改修・借用、ソフトウェアや情報システムの購入・構築・改修・借用などが対象に含まれます。

研究開発費

研究開発に直接従事する者の人件費、原材料・資材・消耗品の購入費、外注加工、分析・検査、旅費、外部指導員への謝金などが対象に含まれます。

人材育成費

社内研修の講師謝金、外部研修の受講料、旅費・宿泊料、業務に直接必要な資格取得費用などが対象に含まれます。

その他の経費

コンサルタント料、展示会・商談会出展費、商談相手企業の招聘に必要な旅費・宿泊料、営業スタッフの活動旅費、広告宣伝費、パンフレット作成費、ホームページ開発・運用経費などが含まれます。

ただし、いずれの経費も、制度の趣旨に沿って知事が必要かつ適当と認めるものが対象です。経費区分に名前があるだけで自動的に補助対象になるわけではありません。

事前着手と実績報告の注意点

交付決定前にやむを得ず事業へ着手する場合は、事前着手届出書を交付申請書と併せて提出する必要があります。

実施要綱では、令和8年度について、事前着手届出日にかかわらず、令和8年7月9日から交付決定前までに行われた事業に要する経費を補助対象とすることができるとされています。ただし、これは事業計画等の趣旨に合致することを確認したうえでの扱いです。

また、補助事業が完了したときは実績報告が必要です。実績報告の期限は、事業完了日から30日を経過した日または翌年度の2月12日のいずれか早い日とされています。

設備等を取得する場合は、取得財産の管理や処分制限にも注意が必要です。1件当たりの取得価格または効用の増加価格が50万円以上の財産については、一定期間内に処分する場合、事前に承認が必要です。

建設企業が次に取るべき動き

建設企業がこの制度を検討する場合、最初に行うべきことは、補助金額や補助率の確認ではありません。まず、次の順に整理してください。

  1. 自社が製造業または機械設計業を営んでいると整理できるか
  2. 予定している取組が造船関連産業分野に該当するか
  3. 長崎県内で補助対象事業を実施する計画か
  4. 「100億宣言」「パートナーシップ構築宣言」「Nぴか」認証または申請の要件を満たせるか
  5. 補助事業完了後2年間の県内企業への新規発注計画を作れるか
  6. 設備投資、研究開発、人材育成、販路開拓等の経費が、事業計画と整合しているか

この制度は、対象要件と事業計画の整合性が重要です。特に、建設業を主たる事業とする会社の場合は、自社のどの事業部門・取組が制度の対象に当たるのかを早めに確認する必要があります。

活用可能性を整理するために

この補助金は、上限3,000万円と金額が大きい一方で、対象業種、造船関連産業分野、県内発注計画、各種宣言・認証など、確認すべき条件も多い制度です。申請を急ぐ前に、自社の事業内容と投資計画を制度要件に照らして整理することが重要です。

自社の計画が対象になり得るか、どの経費を切り分けて考えるべきかを確認したい場合は、お問い合わせはこちらからご相談ください。無理な営業はいたしませんので、制度活用の可能性を整理する入口としてご利用いただけます。