厚生労働省は、令和8年度の「業務改善助成金」について、交付申請の受付を2026年9月1日から開始すると公表しています。事業場内最低賃金の引き上げと、生産性向上に資する設備投資等を組み合わせて実施する中小企業・小規模事業者向けの助成金です。

項目

内容

制度名

業務改善助成金

実施機関

厚生労働省

対象

中小企業・小規模事業者

主な要件

事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行うこと

申請開始

2026年9月1日

申請期限

申請事業所の都道府県に適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または2026年11月30日のいずれか早い日

助成上限額

最大600万円

助成率

事業場内最低賃金1,050円未満:4/5、1,050円以上:3/4

申請単位

労働者がいる事業所ごと

申請方法

管轄の都道府県労働局へ申請。電子申請はJグランツを利用可能予定(GビズIDプライムが必要)

制度の基本構造

業務改善助成金は、単なる設備投資補助ではありません。制度の中心は、事業場内最低賃金の引き上げと、生産性向上に資する設備投資等を同時に進める点にあります。

助成対象となるのは、機械設備の導入、コンサルティングなど、生産性向上や労働能率の増進につながる設備投資等です。助成額は、設備投資等にかかった費用に助成率をかけた金額と、コースごとの助成上限額を比較し、いずれか低い方になります。

令和8年度のコースは、事業場内最低賃金の引上げ額に応じて、50円コース、70円コース、90円コースに分かれます。さらに、引き上げる労働者数や事業場規模により、助成上限額が変わります。

1週間で 17件の相談 がありました

  • 8月2日解体工事会社神奈川県利益率向上の相談
  • 8月2日内装工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 8月2日空調設備工事会社秋田県協力会社探しの相談
  • 8月2日総合建築群馬県案件獲得の相談
  • 8月1日空調設備工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月1日工務店京都府業務効率化システムの相談
  • 8月1日塗装工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月1日総合土木静岡県人材確保の相談
  • 7月31日内装工事会社兵庫県業務効率化システムの相談
  • 7月31日電気設備工事会社静岡県原価管理の相談
  • 7月31日防水工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 7月30日造園会社島根県案件獲得の相談
  • 7月29日解体工事会社山口県人材育成の相談
  • 7月29日電気設備工事会社大阪府案件獲得の相談
  • 7月29日空調設備工事会社北海道人材育成の相談
  • 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
  • 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
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建設企業がまず確認すべき対象要件

申請を検討する場合、最初に確認すべきなのは、自社全体ではなく、申請する事業所単位の賃金状況です。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 中小企業・小規模事業者であること
  • みなし大企業に該当しないこと
  • 申請する事業場の事業場内最低賃金が、令和8年度地域別最低賃金未満であること
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
  • 労働者がいる事業所であること
  • 引き上げ対象労働者が雇用保険被保険者であること

事業場内最低賃金とは、その事業場で最も低い時間給を指します。月給制、日給制、手当が複雑な場合は、地域別最低賃金と同様の考え方で時間額に換算して確認する必要があります。

建設企業では、本社、営業所、資材置場併設の事務所など、複数の拠点を持つ場合があります。この助成金は、工場や事務所など労働者がいる事業所ごとに申請する制度です。どの事業所で申請するのかを先に整理してください。

賃上げは「申請後」に行う必要がある

令和8年度の重要な注意点は、賃金引上げは申請より後に行う必要があることです。

また、地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合は、発効日の前日までに引き上げを完了する必要があります。発効日当日の引き上げでは対象外とされています。

さらに、次の点にも注意が必要です。

  • 引上げ後の事業場内最低賃金額と同額を、就業規則等に定める必要がある
  • 複数回に分けた事業場内最低賃金の引き上げは認められない
  • 交付決定前に設備投資等を行った場合は助成対象外
  • 同一事業所の申請は年度内1回まで
  • 予算の範囲内で交付されるため、申請期間内でも募集終了となる場合がある

賃上げと設備投資の順序を誤ると、制度の対象から外れる可能性があります。特に、すでに発注や契約を進めている設備がある場合は、交付決定前に導入していないかを慎重に確認してください。

特例事業者に該当するかも確認する

業務改善助成金では、一定の要件を満たす事業者を特例事業者としています。該当する場合、助成上限額の拡大などを受けられる可能性があります。

特例事業者の要件は、次のいずれかです。

  1. 賃金要件

申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満である事業者

  1. 物価高騰等要件

原材料費の高騰など外的要因により、申請前最近6か月平均の利益率が、前年同期に比べて3%ポイント以上低下している事業者

物価高騰等要件に該当する場合は、通常は対象外となるパソコン、スマートフォン、タブレット等の端末と周辺機器の新規導入が、助成対象経費として認められる場合があります。ただし、申請時には所定の申出書が必要です。

建設企業では、資材価格や外注費の上昇が利益率に影響しているケースがあります。ただし、該当するかどうかは、制度上の計算方法に沿って確認する必要があります。感覚的な利益悪化ではなく、売上高総利益率または売上高営業利益率の比較で判断します。

事業完了期限にも注意

令和8年度の事業完了期限は、原則として交付決定年度の1月31日です。

ここでいう事業完了期限は、次のうち最も遅い日を基準に考えます。

  • 導入機器等の納品日
  • 導入機器等の支払完了日
  • 賃金引上げ日

つまり、設備の納品だけでなく、支払いと賃金引上げまで完了している必要があります。やむを得ない理由がある場合は、あらかじめ理由書とともに申請することで、事業完了期限が交付決定年度の3月31日まで延長される場合があります。

設備の納期が読みにくい場合は、申請前の段階で納品・支払スケジュールを確認しておくことが重要です。

次に進める実務手順

申請を検討する建設企業は、次の順番で確認すると進めやすくなります。

  1. 申請候補となる事業所を決める

本社、営業所など、労働者がいる事業所単位で確認します。

  1. 事業場内最低賃金を計算する

時給制だけでなく、月給制・日給制の従業員も時間額に換算します。

  1. 引き上げ対象労働者を確認する

令和8年度は、引き上げる対象労働者が雇用保険被保険者である点に注意が必要です。

  1. 導入予定の設備投資等を整理する

生産性向上や労働能率の増進に資する内容であるかを確認します。

  1. 申請期限を都道府県ごとに確認する

締切は地域別最低賃金の発効日に左右されます。全国一律で11月30日まで使える制度ではありません。

  1. 交付決定前に設備導入を進めない

申請、交付決定、事業実施、実績報告、支給申請という流れを守る必要があります。

活用可能性を確認するために

業務改善助成金は、賃上げを避けられない負担としてだけでなく、設備投資や業務改善と組み合わせて考えるための制度です。一方で、申請時期、賃上げ日、交付決定前の発注・導入、事業所単位の賃金確認など、順序を誤ると対象外になる要素もあります。

自社で使える可能性を検討する場合は、まず「どの事業所で」「誰の賃金を」「いくら引き上げ」「どの設備投資等と組み合わせるか」を整理することが出発点です。

制度の活用可能性や申請前の論点整理について確認したい場合は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。無理な営業はいたしませんので、現状の整理や次に確認すべき点を把握する機会としてご利用ください。