久留米市は、市内中小企業者の賃上げ環境の整備を目的として、「中小企業先端設備等導入支援補助金」の受付を開始しました。対象は、久留米市の認定を受けた「先端設備等導入計画」に基づいて、市内事業所へ設備を導入する中小企業者等です。

項目

内容

制度名

久留米市中小企業先端設備等導入支援補助金

実施機関

久留米市

対象

市内の中小企業、個人事業主

主な要件

久留米市の「先端設備等導入計画」の認定を受けていること、賃上げ方針を従業員へ表明していること、市税滞納がないこと等

補助率

2分の1

補助上限額

500万円

受付期間

2026年7月1日(水曜)から2026年12月28日(月曜)まで

注意点

期間内でも予算上限に達した時点で受付終了

申請方法

jGrantsによる電子申請、または郵送・持参

まず確認すべき対象条件

この補助金は、単に設備を買う事業者を広く支援する制度ではありません。中心にあるのは、「先端設備等導入計画」の認定を受けた設備投資であることです。

対象者は、以下の要件をすべて満たす市内の中小企業、個人事業主とされています。

  • 中小企業等経営強化法第2条第1項に該当する「中小企業者」であること
  • 先端設備等導入計画に係る認定申請または変更認定申請を2025年4月1日以降に行い、久留米市の認定を受けていること
  • 市税を滞納していないこと
  • 市内の事業所で、常時使用する従業員を1名以上雇用していること
  • みなし大企業でないこと
  • 暴力団、暴力団員等に該当しないこと
  • その他、市長が適切でないと判断する者でないこと

建設企業が確認すべきポイントは、まず自社が久留米市内の事業所で従業員を雇用しているか、次に導入予定の設備が先端設備等導入計画に位置付けられるかです。すでに設備投資を検討している場合でも、補助対象にするには制度上の順序が重要になります。

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対象事業の要件で特に重要な点

補助対象となる事業は、以下をすべて満たす必要があります。

  • 久留米市から認定または変更認定を受けた先端設備等導入計画に基づく事業であること
  • 先端設備等導入計画で、雇用者給与等支給額の増加率が1.5%以上となる賃上げを実施する方針を従業員に表明していること
  • 久留米市内に立地する事業所へ補助対象設備を導入すること
  • 補助金交付決定後に発注・契約したものであること

特に注意すべきなのは、交付決定前に発注・契約した設備は対象外となる可能性がある点です。設備更新の時期が迫っている場合でも、申請前に契約を進めないよう、社内の購買・経理・現場責任者で確認しておく必要があります。

また、この制度は賃上げ方針と結び付いています。設備投資による生産性向上だけでなく、従業員への賃上げ方針の表明が要件に入っているため、労務・給与面の整理も同時に必要です。

対象設備と最低取得価額

補助対象設備は、「先端設備等導入計画」に基づき導入する設備で、以下の要件を満たす必要があります。

  • 中小企業等経営強化法施行規則第7条第2項で規定する設備であること
  • 年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれる投資計画に記載されていること
  • 投資目的の達成に必要不可欠な設備であること
  • 中古品でないこと
  • リース契約、割賦販売契約に基づき導入するものでないこと
  • 設備の種類ごとの最低取得価額を満たすこと

設備の種類

最低取得価額

機械及び装置

160万円以上

器具及び備品

30万円以上

測定工具及び検査工具

30万円以上

建物付属設備

60万円以上

建物付属設備については、家屋と一体で課税されるものは対象外とされています。設備の分類や課税上の扱いは、申請前に確認しておくべき項目です。

対象経費と事業完了の期限

対象経費は、補助対象事業における補助対象設備の導入に要する経費です。ただし、以下の条件があります。

  • 交付決定日以降に発生した経費であること
  • 事業者が本事業で定める事業期間内に、支払いと事業遂行を完了すること
  • 事業期間は最長で2027年2月28日まで
  • 他の機関または他制度で助成を受ける経費と重複していないこと
  • 振込受領書、領収書等で支払いの事実を確認できること

設備投資では、見積、発注、納品、検収、支払いのタイミングがずれやすくなります。補助対象にするには、交付決定後に発注・契約し、期限内に支払いと事業遂行を終える必要があります。

申請方法と準備書類

申請は、次のいずれかの方法で行います。

  • jGrantsによる電子申請
  • 郵送または持参

電子申請の場合は、補助金申請システムjGrantsに掲載されている「【久留米市】中小企業先端設備等導入支援補助金(令和8年度)」から手続きします。jGrantsの利用には、gBizIDプライムが必要です。久留米市は、gBizIDプライムの取得には申請から2〜3週間を要すると案内しています。

先端設備等導入計画の認定をまだ受けていない場合は、まず計画の認定申請が必要です。なお、久留米市の案内では、先端設備等導入計画の認定申請と補助金の交付申請を同時に行うことができるとされています。

交付申請に必要な主な書類は次のとおりです。

  • 交付申請書兼誓約書
  • 事業計画書
  • 収支予算書
  • 役員等調書及び照会承諾書
  • 先端設備等導入計画認定書および認定を受けた計画書の写し
  • 申請時に認定を受けていない場合は、計画認定申請書類一式の写し
  • 見積書、カタログ等の積算根拠資料
  • 市税の滞納なし証明書の写し
  • 市内事業所で事業を営んでいることが確認できる書類

郵送または持参の場合の申請先は、久留米市商工政策課です。

申請後も5年間の報告が必要

この補助金は、交付を受けて終わりではありません。補助事業完了後5年間にわたり、毎年度、久留米市が指定する期日までに事業実施後の状況報告書を提出する必要があります。

報告の目的は、補助事業による効果、具体的には労働生産性の向上や賃上げの状況等を把握することです。申請時点で、設備投資の効果をどのように確認するか、賃上げ方針とどのように整合させるかを整理しておくことが重要です。

建設企業が次に進めるべきこと

この制度を検討する場合は、次の順で確認すると実務が進めやすくなります。

  1. 導入予定設備が、先端設備等導入計画に位置付けられるか確認する
  2. 設備の種類と最低取得価額を確認する
  3. 交付決定前に発注・契約していないか確認する
  4. 賃上げ方針を従業員へ表明する要件を確認する
  5. 見積書、カタログ、市税の滞納なし証明書などの準備に着手する
  6. 電子申請を使う場合は、gBizIDプライムの取得状況を確認する

受付期間は2026年12月28日までですが、予算上限に達すると受付終了となります。設備投資の意思決定、計画認定、補助金申請、発注・契約の順序を誤らないことが重要です。

設備投資と賃上げ方針を一体で整理する

この補助金は、設備導入の費用負担を軽くするだけでなく、生産性向上と賃上げを結び付けて整理する制度です。申請を検討する際は、導入設備、投資効果、賃上げ方針、資金繰り、発注時期を一体で確認する必要があります。

自社の設備投資が制度に合うか、申請前に確認したい場合は、要件整理から進めることをおすすめします。無理な営業はいたしませんので、必要な範囲でご相談ください。 お問い合わせはこちら