岩手県中小企業団体中央会は、「中小企業者等賃上げ環境整備緊急支援事業費補助金(複数事業者連携枠)」の第3回公募を開始しました。県内の中小企業・小規模事業者が、組合または企業連携グループとして共同で取り組む事業が対象です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 中小企業者等賃上げ環境整備緊急支援事業費補助金(複数事業者連携枠)第3回公募 |
実施機関 | 岩手県中小企業団体中央会 |
対象地域 | 岩手県 |
公募期間 | 2026年8月3日(月)〜2026年8月28日(金)17時必着 |
補助対象者 | 岩手県内に事業所を有する中小企業組合、中小企業者・小規模企業者 |
補助対象事業 | 組合または企業連携グループによるデジタル化・DX、人材育成・確保、業務効率化・コスト削減、商品・サービス開発・販路拡大、リスク対応力強化 |
補助金額 | 1組合・グループあたり上限200万円、下限50万円 |
補助率 | 3分の2以内。ただし、過半数が小規模企業者で構成される組合、企業連携グループの構成員である小規模企業者は5分の4以内 |
申請方法 | 郵送または持参。応募申請受付期限必着 |
補助事業期間 | 交付決定の日から2027年2月5日(金)まで |
建設企業がまず確認すべき対象条件
この補助金は、単独企業の通常の設備投資を支援する制度ではありません。中心になるのは、複数の中小企業者等が連携して行う共同の取組です。
建設企業が確認すべき主な条件は、次の通りです。
- 岩手県内に事業所を有していること
- 中小企業者または小規模企業者に該当すること
- 組合、または企業連携グループによる取組であること
- 「通常枠(従来枠)」および「デジタル活用枠(省力化投資枠)」に交付申請を行っていない、または行う見込みがないこと
- 経営革新計画の承認または変更承認を受けていること
- 応募締切日前日時点で「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトに登録されていること
建設業については、中小企業者の範囲として、資本金3億円以下または従業員300人以下が示されています。小規模企業者は従業員20人以下です。自社がどちらに該当するかは、補助率にも関係します。
1週間で 22件の相談 がありました
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「企業連携グループ」の考え方
企業連携グループは、補助金を申請する組合、中小企業者、または小規模企業者を2者以上含み、代表者と事務局機構を備えた任意組織とされています。
つまり、建設企業がこの制度を検討する場合は、まず「どの会社・組合と、どの課題を共同で解決するのか」を整理する必要があります。単に同じ地域の会社が集まるだけでは足りません。審査では、企業連携により事業内容が効果的なものになっているか、地域や構成員の課題解決に資するかなどが見られます。
なお、企業連携グループの場合、採択はグループ全体の取組として審査されますが、補助金交付は構成員ごとに行われます。
対象となる取組の方向性
補助対象事業は、岩手県内で、組合または企業連携グループによって実施される次のいずれかの取組です。
- 企業連携によるデジタル化・DX化の推進
ECサイト・会員アプリ開発、DX人材育成の合同セミナー、共同で依頼するDX診断など
- 企業連携による人材育成・確保の推進
雇用環境改善に向けたコンサルティング、業界イメージアップに向けたHP・動画等のツール作成など
- 企業連携による業務効率化・コスト削減の推進
原材料価格等の高騰に対抗する共同仕入の体制構築、共同配送・共同保管などの物流コスト削減に向けた取組など
- 企業連携による商品・サービスの開発及び販路拡大
地域課題の解決に向けた新ビジネスの創出、地場産品を活用した新商品の開発やプロモーションなど
- 企業連携によるリスク対応力の強化
連携事業継続力強化計画の策定に係る取組、事業継続に係るツール開発・設備導入など
建設企業の場合、価格転嫁や賃上げに向けた環境整備という制度目的に沿って、共同での業務効率化、人材確保、リスク対応力強化などを検討することになります。ただし、同一内容で国・県等の他制度と重複する事業は対象外です。
補助対象経費と注意点
補助対象経費は、次の9区分です。
- 機械装置費
- 設備費
- 賃借料
- 原材料費
- 謝金
- 旅費
- 外注費
- 委託費
- 広報費
ただし、対象外となる経費も明確に示されています。特に実務上注意したいのは、交付決定日前の契約・発注・支払いは補助対象外となる点です。採択通知を受けても、それだけで事業開始できるわけではありません。事業開始には、あらためて交付申請を行い、交付決定の通知を受ける必要があります。
また、応募要領では、車両購入費、通常の生産活動に使用するもの、汎用性が高く目的外使用になり得る物品、求人広告料、通信運搬費、光熱水費、振込手数料などは対象外の例として示されています。設備やシステムの導入を考える場合も、補助事業との関係を説明できるかを事前に確認してください。
申請前に整えるべき書類と段取り
応募申請では、応募申請書、事業計画書、収支計画書、反社会的勢力排除に関する誓約書、経営革新計画の承認通知書等の写し、「パートナーシップ構築宣言」の登録を証する書類、営業活動の状況がわかる書類などが求められます。
企業連携グループの場合は、補助金を申請する全ての構成員分について書類が必要です。直近の決算書、登記事項証明書、株主一覧表、個人事業主の場合の確定申告書など、集める書類が複数社分になります。
そのため、申請を検討する場合は、次の順で確認すると実務が進めやすくなります。
- 連携する相手先と代表者・事務局を決める
- 経営革新計画の承認状況を確認する
- パートナーシップ構築宣言の登録状況を確認する
- 共同で実施する事業内容を1つの計画に整理する
- 対象経費と対象外経費を分けて見積りを確認する
- 2027年2月5日までに支払い・実績報告まで完了できる工程にする
期限は2026年8月28日17時必着です。郵送または持参での提出となるため、締切直前に書類不足が判明すると対応が難しくなります。
自社だけでなく「連携で解ける課題」を見極める
この補助金は、複数事業者で取り組むことが前提です。自社単独の投資計画をそのまま当てはめるよりも、共同で取り組むことで価格転嫁や賃上げの環境整備につながる課題を見つけることが重要です。
例えば、共同での業務効率化、人材育成、雇用環境改善、販路拡大、リスク対応力強化など、複数社で進める意味が説明できるテーマかどうかを確認してください。
制度の活用可能性を検討する際は、対象要件、連携体制、経費区分、スケジュールを早めに整理することが大切です。自社や連携先での活用余地を確認したい場合は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。無理な営業はいたしませんので、制度に合うかどうかの整理からお気軽にご相談ください。